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【書き起こし】孫vs佐々木対談「光の道は必要か?」3-1 フリー討論

孫正義vs佐々木俊尚対談「光の道は必要か?」Part3-1
「フリー討論」の書き起こしです。

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。
(ご指摘歓迎)

孫:
ファイル切り替えて。

基本的にですね、このまえ総務省の部会でプレゼンをしてください。時間がですね、たった1回で、しかもプレゼンの時間そのものが15分かなんかそのくらいで、あとは質疑応答。

15分の中ですべてを説明し終わるなんていうのは不可能なんですね。ですから当然15分の中で、重要な部分だけを結論とそのプロセスについて重要な部分をかいつまんで話をした。かいつまんで話したから、すべてをそこに出してないから、ズルイというのはちょっと言葉に問題があると思うんですよね。要するに、限られた時間15分しかなくて全部を語るのは・・・。

重要な結論だけを言ってるわけで、その結論について質問があるならいくらでも質問に答えるし、なにも隠すことでもなんでもないワケで。ずるいという町田さんなりの言葉の表現は、ぜひ配慮して使っていただきたいと。それは、われわれが隠そうという意図でやってるわけではないから。

それが証拠に、今日すべて我々が部会で提示した数字を、今日すべて見ていただいてるUSTなりツイッターの皆さんに全面公開しますから、その公開した数字をベースにさらに議論を進めていけばいいと思うんですね。

それを今日いまからちょっと、せっかくの機会だから佐々木さんに、いっしょに見ていただきたいと思いますね。

アクセス回線会社というのが、ほんとに国費ゼロでできて、しかもそれで、離島まで含めて。ツイッターでは僕は、離島まで含めて光を全家庭にもらえますか? 引いてもらえますか? という質問に対して、遠い離島はどうか、どうかわからない。
そういうところはもしかしたら衛星になるかもしれないということをツイッターで返事をしましたけれども、今日はもう一度それを改めて、遠い離島までを含めて全部光をつないてみせると。

もし私の構想に対してですね、ご理解を国民からいただけるのであれば、それができるという計算の根拠を今から示したいと。日本人が住んでいる、日本の国土の中にある島は、住んでる島ですよ、無人島は別として。日本人が住んでる日本国土の島には、すべて海底ケーブルで光を通して、陸上げして、その島の中のメタル線も100%光に置き換える。国費を1円も使わずに。

もちろん地方公共団体から、今NTTはだいぶ補填金をもらって光を引きつつありますけど、そういうものも全部お断りして、地方公共団体にもご迷惑をかけずに、国費も公費もゼロで100%光を引く方法があるということについて今日は話をさせていただきます。

これがもし実現できたら文句ないでしょ?

佐々木:
自分的には文句ないです。ただし、その正当性をどこで担保するかって話になると思うんですよね。

孫:
正当性を今からちゃんと数字で説明をしますね。
それでは、アクセス回線会社。

まずそもそもメタルの保全費が3.9兆円だと。で、光を引くのに2.5兆円で引けると。メタルの保全費ばっかりにお金をかけるより、光を2.5兆円で引いたほうが早いじゃないかと。安いじゃないかと言ったことに対して、じゃあ光の保全費をアップル・トゥ・アップルの比較(違うもの同士ではなく、同じ種類で比較すること)をしてないじゃないかと。
その点は、町田さんをはじめとして、佐々木さんとかおっしゃってる。その通りですよ。それは僕が全体の話をはしょって申し上げ、一部分をはしょって申し上げただけで、話をしてる本質はなんら変わっていない。そこを、全体像を今日、今から説明します。

まず最初にね、2.5兆円で光を引けると申し上げたのは、この図にあるように、左側が局内施設、それからとう道き船区間。
これが1600億円。電柱と電柱の間を結ぶ配線区間。これが5200億円。それから離島・その他という下の段に5514億円。これ離島も含めです。有人、人が住んでる島は全部、小笠原諸島も含めてのコストを全部計算に入れてます。
それからNTTさんがいま9割、光はもう来てますと言ってるのは実は家の近所の電柱まで来てるだけで、家の中までは引き込みされてない。この引込み線の費用が4100億円。
で、引き込んだあと、家の内壁(外壁ではなくてですね)、内壁に宅内の光回線の収容の機器、こういうものの6700億円。

ぜんぶオール込み込み。端から端までオール込み込みの物理線のとこですね。これの設備投資、工事。それら全部足して2.5兆円ということを申し上げている。ですからここに、はしょってる数字はまず2.5兆円の中に、項目としてはしょってるものはない。もしかしたら、2.5兆円が2.4兆円で済むかもしれない。2.6兆円かもしれない。それは、使う機器のメーカーとか、あるいはタイミングによって若干コストがかかる。その辺の誤差はあるけど、基本的に現在のもので計算すると2.5兆円。
これですべて、100%、家の中まで引き込みで、黒電話をつなぐためのアダプターのコストまで含めて2.5兆円でできると。これがまず、2.5兆円の内訳の整理ですね。

次に、メタルと光の維持費、保全費以外に設備投資の減価償却とかありますよね。メタルの方に関わるアクセス回線の維持費、これが7600億円で、光のところは3100億円。松田さんとか、佐々木さんが仰ってたように、メタルをなくして、オール光にするということは、光の増えるコストがあるわけですね。2.5兆円の設備投資以外に、年間発生していく維持費、保全費、あるいは減価償却、そういったようなものがあります。
それが全部、アップル・トゥ・アップルで比較せよというから、アップル・トゥ・アップルで比較すると、5000億対1.1兆円、1兆700億円と。

いまやっているのは光とメタルの二重構造のネットワークなんですね。二重構造のネットワークを運営していくのに、1兆円を超えていると。で、メタルを撤廃して、剥ぎとって、光だけにする。そうするとどうなるかいうと、5000億でできると。年間の費用ですよ。
これは、アップル・トゥ・アップルで光の維持費も、光の減価償却も全部コミコミの数字です。ですから、項目ではしょっているものは何もない。したがって、ずるいという言葉は、ここでぜひ撤回していただきたい。つまり、すべての項目をアップル・トゥ・アップルで比較して、1兆円対5000億円ですよと。これがまず基本的なトータルの数字、年間の費用です。

次に、それがアバウト過ぎて分からないとおっしゃると思いますので、内訳を書きました。
光の現在の保全費が763億円で、年間ですよ。
減価償却が1600億円、メタルの保全費が3900億円、減価償却が1700億円。
あとその他、2600億円というのがあると。
もしこれを、オール光というものにして、メタルをなくしたという形になると、メタルのところの1700億円と3900億円、これがゼロになるわけです。
で、光の部分は当然増えますよ。増えるけれども、さきほどいったように、メタルと光のダブル構造になっている、二重ブトンになっていると1兆円で、完全光化になったら5000億円でできると。年間のオールコミコミの費用がですね。これは、完全アップル・トゥ・アップルです。ということで、まずそれが1点ですね。

さらに、もうちょっと詳しく見ると、ちょっと映してくれる。

これがその内訳ですね。光の中にその他の部分と、施設保全費、減価償却費と、あと、管理共通費というのがあります。
メタルの中にも同じように、その他と施設保全費と減価償却と管理費、営業費というのが入っていますと。
で、それが、光に行くと、全部メタル部分がゼロになると。光の部分が当然増えるんだけど、光の部分で増えるよりも、メタルで掛かっている無駄な金が減る部分が大きいと。それがこの内訳です。

で、この数字は我々がでっち上げでつくった数字ではなくて、基本的な数字は全部NTTの接続会計ということで、NTTが公開している資料。これに基づいて我々の専門チームが何年間もかけて解析した数字と。で、オール光にするのにかかる費用も我々光をいっぱい引いたチームがいますから、これらが、すべて積算して、現在かかっているNTTさんの接続会計の開示資料に基づいてから、光を引くのにどれくらい掛かっているか、同じく、それを延長させるとどうなるか、という彼らの公開資料の数字をベースに、我々が延長させたというこですから、何の根拠もない数字ではないんです。その素人がなにか絵空事で勝手に空想していっている数字ではなくて、アバウトな数字じゃなくて、きちっとした積算に基づいた数字ですね。これがその1点ですね。

次にですね、メタルが引いてあって、田舎にまで高速道路に当たる田舎にまで全部引くことないじゃないかと、という説がありますね。田舎の方に、あんまり使う人がいないのに、30人しかいない村に光を引く必要があるのかと。
そういうところに対して、こそ、僕は逆に光に早く置き換えなくてはいけない。
なぜなら、このグラフがその重要なページなんですね。
この右のほうの、折れ線グラフと、点々を見てください。横軸がですね、経過年数です。
メタルの利用経過年数です。縦軸が故障の件数です。1kmあたり何件故障が起きているかということですね。
つまり、メタルはですね、距離が伸びれば伸びるほど事故件数が増えて、しかも、年数が経てば経つほど、事故件数の比率が増えると。1kmあたりで。

ちなみに、メタルはもう20年以上、古くなってしまっているものが全体の60%になっちゃっていると。
つまりメタルは100年前から、電電公社のその前の逓信省のときからずっときているわけです。

世界中、グラハム・ベル以来、ずっとメタル線なんです。ずっと100年間メタル線なんです。

ですから、基本的にあまりにも使い古された古いパラダイムなわけで、さっきの事例で言えば、竹管のようなものです。もういまパピルスから紙の時代になっている、印刷できるような時代になっているのに、竹管のあのボコボコしたやつに印刷はなかなか難しい。平たい紙ができて、印刷技術が一気に発展したと言うように、メタル線というのは銅線ですよね。
これは100年以上前から、さっきいったようにグラハム・ベル時代から使ってて、もう20年以上経っているものが60%を超えていて、これは耐用年数をほぼ超えてきているわけです。
だから、田舎ほどメタルの維持費が高い、メタルの維持費のために赤字が出ている。田舎ほど。
その田舎の維持費の高さに、「赤字ダダ漏れ状態」。

(そらのさんを振り返って)そらのさんにダダ漏れ・・・。

赤字垂れ流し状態が田舎のメタル線なんですよ。だから、30人しかいない村こそ、一日も早くメタルを剥ぎとって、1日も早く光に置き換えないと、維持費で持たないと。
さきほどの費用の中に保全費が3900億円。その保全費のかなりの部分が田舎の長い距離のしんせんのほとんど利活用が少ないところが銅線のメタル線です。
だから田舎は光がいらないじゃなくて、田舎こそ、メタルがいらない。メタルが重たすぎると。
メタルを一日も早く剥ぎ取らなきゃいけない、ということなんです。
だから、まったく理論が逆なんです。だから、田舎に光を引くのが無駄遣いという説をよくいろんな人がいいますけども、田舎にメタル線を使い続けることほど無駄遣いはないと、という一番重要な似て非なる結論なんですね。

ということで、結論はこういうことで、保全費というのは、長さと故障率ですね。
田舎ほど距離が長い、田舎ほどメタルが故障率が高い古いメタルが使われたまんまだと。だから、これこそ一日も早く光に置き換えないきゃいけないと。田舎はあとでいいじゃないかと。光にするのはと。逆だ、ということなんですね。
したがって、都会は当然光にするわけで、でも田舎も一日も早くメタルを放置してはいけないと。ということで、田舎にまで光にできるなら、100%光にできますね。
つまり、情報アクセス権として、離島まで含めたすべての国民に、離島のメタルの保全費も高いと。これも全部光に置き換えましょう。

なぜメタルがそんなに高いのか。メタルがぶら下がっている電柱の典型的な例がこれですよ。メタルっていうのは重たいんですね。これだけ混雑していると、風荷重がすごいんです。電柱もきしむんです。重たくて悲鳴をあげるんです。で、台風が来たら、ぶち倒れるんです。風荷重で。
ですから、メタルの道っていうのは本当に重たくて、保全費がかかる。切れたらあわててつなげにいかないと、電話がつながらないとうのはおおごとですから、そういうことでものすごい保全費が掛かっている、というのが実態なんですね。

それに対して、光の道ということになると、突然スッキリするわけです。突然。いまはメタルが一杯邪魔をしてて、光を引くにもよけながら、よけながら引かなきゃいけないんですね。

佐々木:
これは電力の線が書いていないですよね。

孫:
これは電力柱ではないんです。この事例はNTT柱の場合の話ですね。でも本質は似たような話です。非常にスッキリする、ということです。
メタルの場合は距離が伸びないんです。距離が伸びないので、途中にRT局という中継局をおかなきゃいけない。距離によってものすごく減衰するから、途中にいっぱいRT局を何千もおかなきゃいけない。この維持費がまた膨大な費用がかかっている。光の場合は、距離が遥かに伸びますから、減衰しないので情報が、途中のRTボックスもいらない。このへんもものすごくコストダウンができる、という基本的な構造ですね。

もうひとつは、いままで、光をどういうふうに引いているかと言うと、お客さんから需要ががあるたんびに、「はい、わかりました」っていってあわてて出かけて行って、電柱に登って工事するわけです。
で、隣の家はメタルを使ったままなんです。また、10軒隣のところが3ヶ月後に光が欲しいといったら、またその1軒のために工事に出かけていくわけです。で、またそこから半年位して、20軒隣のところに1軒のために、また工事に行くと。
トンビトンビのバラ売りの忙しい工事を非効率的にやっているわけです。

私が主張しているのはそうではなくて、一気呵成にメタルを100%、5年間で剥ぎとりましょうと。5年間で計画的に全部、順番に、つまり電気の線を引く時は、注文のある1軒1軒にトンビトンビにバラバラいくんじゃなくて、一気呵成に、その辺の街を村を、ズルズルズルっと引っ張ると。

だから安く作れるわけですね。効率良く作れる。もともとインフラというのは一気呵成に引かないと、電力線もそうですし、電話線もそうですし、水道管もそうですし、道路もそうですよ。俺の家の前だけ舗装してくれと。隣の家は貧乏人だから舗装しなくていい。10軒隣、また舗装してくれ。そうすると、舗装道路と砂利道がシマウマ模様でバラバラになっちゃう。
これでは車は事実上、舗装道路としての快適さは得られない。だから一気呵成にやらなきゃはいけないということですね。期限をきってやらなきゃいけない。

で、一気呵成にやると、いまはトンビトンビにバラバラにやってますから、1軒あたりの工事費と、営業費と部材費を含めて、12万円ほど掛かっていると。これはNTTさんの接続会計のものを我々が分析したやつです。光の道はいまいったとおり、計画的に一気呵成にやりますから、1軒あたりの単価に直すと3万円でできちゃうということですね。
で、営業費なんかはもうほとんどいらない。自動的にメタル線を従来の1400円のままで、メタル線と同じ費用のままで置き換えるわけですから、契約の変更もいらない。一気呵成にやると。したがって、効率が良くなるから12万円が3万円に減ると。
ということで考えると、現在のアクセス部門、NTTのアクセス部門、つまりメタル線、光線の物理線のところの部門は収入が1兆2000億円で費用が1兆5000億円で、2600億円の年間赤字なんです。

だから、これ、NTTさんが田舎に光を引きたくないというのは、もっともな話で、アクセス回線部門というのは、ただでさえ、2600億円赤字なんですね。赤字なのにもっと引けもっと引け、と。それは困ると。
民間企業として、儲からない、採算のあわないところまで引いてくれというのは困りますと。というNTTさん経営陣の話もわからなんでもない、もっともな話です。民間企業ですからね。

だけど私が申し上げているのは、そうではなくて、メタル線と光の二重構造になっているメタルをゼロにする、剥ぎとると。そうすると維持費、保全費が無くなる。そうすると、光オンリーになると売上は減りますよ。単価が下がるから。つまりいままでは光は1ヶ月3700円とっているわけですね。メタルは1400円です。これが全部光もメタルと同じ1400円で統一すると、売上は減るんです。9600億円になる。だけど、費用が莫大に減る。6000億円に減る。そうすると、突然、アクセス会社が3500億円もの利益が出る部門になっちゃう。つまり重荷の赤字部門が、突然利益の出る部門に生まれ変わるということですね。

もう少し詳しく見ますと、この表なんですね。ちょっと表を映してくれますか。表に切り替えて。
左側が現在のNTT東西のトータルの売上と費用と営業利益です。この中で、光もメタルもミックスされて入っているわけです。で、営業利益も445億円です。真ん中のところをみていただくと、トータルのところのNTT東西の経営状況を2つの部門に分割して見てみたと。そうするとアクセス部門がいまいったように、2600億円近い赤字ですよ。これ現在ですよ。彼らの公開資料を元に出した数字ですからね。

NTTの接続会計に基づいた数字。通信部門はですね、3000億円も黒字なんです。ですから、ブロードバンドだとか、電話の通信サービスを提供している部門は3000億円の黒字なんです。ほんとうに3000億円も儲かっているのか、と疑問に思うかもしれませんけども、ちなみにソフトバンクの固定回線部門というのはブロードバンドのメタル線を使った、おとくラインとかマイラインとか、そういうところの部門は700億円の黒字なんです。
我々はNTT東西の10分の1しか顧客数しかもっていないんです。10分の1の顧客数なのに700億円黒字なんです。ていうことは、通信部門はですね、我々の10倍の規模ある彼らは本当は7000億円利益が出ててもおかしくない。7000億円、まあ彼らはちょっと経営効率悪いから、それでも3000億円儲かっている。
だけどアクセス部門は2500億円の赤字なんですね。

ところが、もう一度表を映してもらえますか。
右側、僕が申し上げているように、メタル線の部門を無くして、メタルをなくして、アクセス会社が光だけにスッキリしたと、右側にあの青線引いて、ゼロって書いてあるんですね。メタルのコストがゼロになる、メタルのサービスコストもゼロになる、という形にいくと、光の部分だけでいくと、突然営業利益が3400億円。利益になると。アクセス部門が3400億円の利益のでる会社、そして、通信サービスは今と同じ3000億円の利益、合計で6000億円ですね。

つまりこういうことです。

今現在は、収入と利益があって、400億円しか利益が出ていない。でも、メタルをやめれば、引き剥がせば、通信部門は3000億円の黒字、アクセス部門も3400億円の黒字、合計で6400億円の黒字になるわけですね。6400億円の黒字が今日現在のNTT株主が両方ともの会社の株を持つ、つまり分割ですね。
純粋分割です。純粋に分割して、今日現在のNTTの株主が100%両方の会社の株を持つと。という形で行けば、今日現在のNTTの株主からすれば、400億円しか利益が出ていない会社が6000億円も利益の出る会社になる。
であれば、株主価値は毀損するのか?と。株主価値が減るということをいう人もいるが、とんでもない。株主価値は10倍以上増える可能性があると。少なくとも今より絶対に減らないと言うことですね。
つまり、利益の会社が自分が出る利益の中で光に引き直すことができるならば、メタルは廃止して、メタルの赤字を垂れ流している部分をやめて、赤字をストップすることによって、その費用の差額で、光を引けるならば、公的資金、税金は1円もいらないということなんですね。

さっきいったように、設備費用には2.5兆円必要だ。2.5兆円の金はどこからもってくるんですか、という話ですが、このアクセス会社というのは、3400億円の営業利益がでますと。キャッシュ・フローという意味で、減価償却のない会計上の費用ですね。ですから、それは足し戻しますね。で、払う2.5兆円を資金調達したら、それを払う支払利息があります。その利息が年間500億円。その他引き継ぎの支払い300億円。したがって、営業キャッシュ・フローは4993億円。約5000億円の営業キャッシュフローがでる。
そこから新たに、新築する家が毎年出ますが、新築する家には毎年新たに光ファイバーを追加で引くと。この費用も含めてキャッシュ・フロー上、計算して、オール一切合切項目をコミコミで、フリー・キャッシュフローで4600億円でると。1年で。毎年。4600億、現金が残るわけですね。毎年。
であれば、6年分の現金収入で、2.5兆円の資金が全額返済ができる。資金調達した部分が。もし6年分で資金調達した2.5兆円を返済できるならば、民間の銀行とか、民間の機関投資家とか、そういうとこからの資金調達だけで100%間違いなく資金調達が一瞬でできます。

なぜ一瞬でできるかと自信を持って僕が申し上げているかと言うと、本当の純粋の民間企業のボーダフォン・ジャパンを買収するのに2兆円現金かかったんです。2兆円の資金調達を純粋民間企業のソフトバンクがやっと赤字から黒字に脱却したばかりのソフトバンクが、2兆円の資金調達できたんです。つまり、返済できるというフリー・キャッシュフローの目処が立つのであれば、資金調達はできるわけですね。で、我々が当時2兆円資金調達したときよりも遥かに上回るフリー・キャッシュフローが、つまり5000億円近いフリー・キャッシュフローがあれば、民間の銀行とかの資金調達だけで、100%調達できるということなんですね。ですから公的資金は1年もいりません。黒字の会社が黒字のフリー・キャッシュフローをベースに資金調達ができると。

で、それをやるときに、じゃあなぜ僕がアクセス部門をアクセス会社として、ちゃんと明確に分割した会社にしなくてはいけない、ということを申し上げているかと言うと、NTT東西もKDDIも、我々もイー・アクセスも、いろいろな会社がありますけども、これは同じ手続で、同じ費用で、このアクセス会社から、卸売りを受けると。ということが、平等だと、公平だと、公正だと、いうことを担保できるならば、初めて我々がいまメタルサービスを使っているADSLだとか、メタルサービスを使っているKDDIのメタルプラスとか、そういうサービスを立ち退きするんです。
もし、メタル線をベースにして事業を展開している我々が、突然NTTさんの光だけになりますと。で、メタルをベースにしたサービスから立ち退きなさい。そのときの値段はいくらにするか分かりません。手続きもどのようにするか分かりません、だと、おっかなくて立ち退きできないんです。

これは土地の地上げと一緒ですよね。もし、木造の長屋に住んでて、そこから高層ビルの快適なマンションに済んでいて、いままで住んでいた面積よりも広い面積で、しかも家賃は同等かそれ以下で住めるということが保証されるなら、木造の古い長屋から近代的な高層マンションに移り住んでもいいです、というふうに地上げに応じるわけですけども。
そうじゃなくて、もし家主が、私はいくらの家賃にするか分かりません。私が気に入ったときに気に入った手続きで、あなたを入居させるかもしれません、という形だったらおっかなくて、メタルから立ち退きできないんです。
メタルをかきゅうしている消費者も簡単には立ち退きできない。もちろんこういう形でアクセス会社がメタルを全廃して、光にしたら、巨大なパワーを持つわけですから、巨大なパワーを持つのが、通信サービスで毎日競争しているNTT東西と、その大家さんとしての物理線の同じ会社、仮に点線で、ミシン目かなんかで分けてですね、会計だけ分離しますとかいったって、それはおっかなくてやれないと。だから公平性を担保するためには、明確な分社化をしなきゃいけない。こういうことが実現できれば、つまりこういうことですね。

左側にあるのが現状のNTTの組織構造です。右側にあるのが、アクセス部門を切り離して、アクセス会社に切り離す。でもいまのNTT株主は両方の会社の株式価値を100%いままで通り持っている。しかも増益だと。450億円しか儲かっていない会社が、突然、6000億円の利益は、現在のNTT株主が両方持つと。
こういう構造分離であれば、日本の天下国家がメタルを引き剥がすことに誰も反対する人がいなくなると、いうことですね。
事業者も反対しない。消費者もいままでと同じ、メタルと同じ値段で光で得られるならば、いままでと同じ黒電話が使えるならば反対する人はいないと。

もうひとつはですね、NTTの労組の問題があります。もうじき参院選とかありますからね、すぐ労組の表をもっているNTTの経営陣のみなさんは、参院選が怖くないのか、とかすぐそうやっていいたがるかもしれない。
でもね、本当にNTTの労働組合の人たちから見れば、いままではNTTの経営陣からもう何年も何年も肩たたきされてきたわけですね。いままでNTTの本社にいたのが、もう、いろんな理由をつけて、関係会社、子会社にどんどん人事異動させて、そこで安い給料に頭打ちさせる。できるだけ早く退職してもらいたいから。いやいや雇われているというという状態がここ何年もつづいているんですね。

人間てね、僕は思うんですが、お金だけもらえれば幸せに生きていけるかと言うとそうじゃないとおもうんですね。期待されて、尊重されて、あなたは役に立っていると、みんなから尊敬されて、その仕事ぶりを期待されると、人間てやる気がでるとおもうんですね。
ましてや僕の提案は、これから5年間で一気呵成にメタルを引き剥がして、光に張り替えましょうということですから、NTTの労働人口の人たち、ものすごくベテランの人たちが、電柱にいっぱい、あのいま50代60代の人たちがかつて若いときにメタル線を弾いていたわけですね。そのノウハウと経験値を持った、その年配の労働パワーが、突然尊敬されて、光を一所懸命5年以内に引いてください、いま一番だぶついているとされていたこの50代、60代の人たちが、とくにこの55歳から60歳くらいまでのところ、定年間際の人たち、この5年間分くらいの人口がこの5年間で一気に光を引くならば、ものすごく忙しくなる。ボーナスも増えると。だって利益も増えるんだから。

450億円しか利益が出てなかった会社が突然6000億円も利益が出る。ましてやアクセス回線部門は2500億円の赤字だったのが、3000億円の黒字になると。当然、ボーナスも増えるんじゃないかと、僕は思うんですね。
人材も有効活用できる、雇用の創出もできる。というわけで、NTTの労働組合の方々も反対する理由はないじゃないかと、思うんですね。

次に設備競争しないといけないんだ。「孫さんよ」と、「あんたは自分で光を引かないで、NTTに光を引け引けと」「自分は何も汗を流さずに人にガンバレとそればっかりいうのか」と批判する人がいます。
設備競争というのは、私はメタル線と光が二重構造になっているよりも、メタルを引き剥がして光に一本化することがいいわけですけども、それがバラバラに、たとえば電力会社が関東に3社あって、4社あって、もしバラバラに関東電力A、関東電力B、東京電力C、東京電力Dと4社がバラバラに電力線を家に引きに来て、電力契約を切り替えるたんびに、家までの引込線とか、電柱にぶら下がっている電力線を毎回引き剥がして、引き直して、なんてことをやってたら、電線の無駄遣い、そういう物理線は、一回共通にばぁーっと引いてしまって。
その上位レイヤーのテクノロジーを要するところ。シスコのルーターだとか、いろんなスイッチだとか、そういうハイテク機器を使う上位レイヤーのところを設備競争すべきで、技術競争すべきて、サービス競争すべきで。
物理線のメタルは50年100年、銅線のまんまですから、ガラスの光ファイバー線はこれから20年30年光ファイバー線はこのままですよ。これは5年とかでコロコロかわるもんじゃない。まして、1軒1軒ごとに変える必要はない。

それは物理線だけ計画的にまとめて引いて、設備競争はその上位レイヤーですね、ここでいうルーターのところ、いろんなネットワーク全体のところですね。そういうところ設備競争すべきだと。
この赤線のところは、物理線でいっかいだけまとめて2.5兆円で隅から隅まで引いてしまう。100年に1回のパラダイムシフトだと。100年に1回、竹管からパピルスの紙に変わったと。
100年に1回変わるパラダイムシフトを銅線からガラス線、ファイバー線に置き換えなきゃいけない。計画的に、一気呵成にと。
その上の、ハイテクのところは毎年技術革新がありますから、それは各社はNTTさんはNGNだとか、我々はIPの我々なりのネットワークだとか、KDDIさんのIP網の中で、解決しようと。設備投資を、サービス競争を、価格競争を。
そういうものを僕はやっていくべきだ。

つまり、物理線のところは今までと同じメタル線の1400円、光も物理線は1400円のままで、その上位レイヤーのところの、通信料としての電話代、あるいはブロードバンド代、そのスピード、100Mbpsだとか1Gbpsだとか10Gbpsだとか、そういうスピード競争、テクノロジー競争、あるいは価格競争、サービス競争、そういうのは、共通のレイヤーの、まさにネットワークプラットフォームの上で、競争しあうべきだ。

というわけで、ここまでが、私がさきほどのご質問、公金つまり国費ゼロで、しかも消費者にいらないと言ってる人にまで高い金を払わせる、無駄遣いをさせる、という議論とはまったく違う、むしろ儲けが出る方法で、1円も国費を使わずに、隅から隅まで、離島に住んでいる人、山間部に住んでいる人まで、一切の切捨てをせずに、すべての日本国民に光を提供しよう。
電話だけしかいらない人には電話だけでいい。
でもいつかはブロードバンドほしくなるかもしれない。いつかほしくなったときに家の内壁まで来てれば、パッと瞬間でつながる。無駄な手続きだとか、無駄な工事を待ったりとか、そういうのはなにもなしでできる。そういうことですね。

佐々木:
なるほど。
疑問しょうか?というか質問があるのですが、さっきの話で初期費用みたいなのがあるわけですよね。
光ファイバーを敷く際の。それが12万円が3万円で済むというお話。

孫:
初期費用というか、1回の工事と営業費?

佐々木:
そうですよね。
それは誰が負担するんです?

孫:
それは12万円じゃなくて3万円に減るわけです。
3万円に減ったやつは、さっきのアクセス会社が全部負担する。

佐々木:
なんとかなると。

孫:
なる。
それを全部含めて、さっきの費用。3万円の○○○が2.5兆円。

佐々木:
なるほど。
今FTTHの普及率は90%といわれる。

孫:
それは家の内壁まで。

佐々木:
孫さんの仰るように、そのうちの実際に引いているのは30%しかない。
残り60%は回線は近くまで来ているんだけど、申し込んでない人たち。
この申し込んでないというのは本当に料金だけの理由なのかどうか、かなり僕はグレーだと思うんですが。

孫:
少なくとも今現在30%の人が光である。30%の人はメタルをベースとしたADSLを使っているわけです。
そのADSLを使ってる人は、ADSLよりも安い価格で、ADSLではなくて光に置き換わるというのであれば、誰一人文句ないと思う。
ADSLのほうが光より性能がいいと思っている人は一人もいないと思う。

佐々木:
残り1/3は。

孫:
残り1/3の人は黒電話のままでいい。
でも黒電話だけど、家の内壁までは光が来てて、内壁のところから内側の、宅内のところだけがメタルだ。

佐々木:
利用者の側が、たとえば私は固定回線できません。携帯で十分です。最近多いですよね。そういう場合でも回線だけは引いてしまう。

孫:
いやいや。メタル線そのものを契約してないようなところには引かないですよ。
メタル線に今1400円お客さんが負担している。ほとんどの家庭がメタル線を引いてて。
でも最近の若者はメタル線いらない。固定電話がいらないという人がいますから、そういうところにはムリヤリに光線を押し付けるわけではない。

佐々木:
なるほど。わかりました。

孫:
今メタル線に月々1400円払ってる。払ってるから、その払ってる1400円で光を提供しましょう。

佐々木:
それからもう一つの疑問。疑問というか、じゃあ孫さんの仰る○○○の成長、いま説明を聞くと妥当なのかもしれないと思います、個人的にはね。
でもそれに対して反論がものすごくたくさんあるわけです、現実に。

孫:
それは○○○の中には知らないまま反論している人が大半だと思いますよ。

佐々木:
それは現段階ではそれはわからないですよね?
そうすると孫さんの仰った、やろうとしている構想をどうやって○○○プロセスにむすびつけるか。
そのプロセスってどういうふうにすればいいとお考えですか?

孫:
まず少なくとも政策立案を議論するタスクフォースの先生方には、今いった数字は全部すでに提供してます。
その既に提供している数字をベースに、政策立案の議論をするタスクフォースの人たちが、ほんの何名かの人間で、日本の天下国家をいま議論しているわけですけども。
私自身はほんの何名かの人間だけで、日本の天下国家を議論するのではなくて、従来密室の中でいろんなことが決まってきたという。
最近は原口大臣がだいぶ公開するようになりました。タスクフォースの議論もだいぶ公開するようになりました。
ですからまさに今もこうやってツイッターとかUSTで公開して流している。
今僕が提出した数値の資料は全部、今日付けで公開しますからね。
今までは委員の先生たちに、つまり政策立案の議論をする先生たちには全部出してましたけど、それをすべての国民に、見たい人に全部公開します。

それをベースに多くの国民の人がここの数字はおかしいとか。
多くの国民の中にはNTTの人もはいってていいと思いますよ。
NTTの人が、この数字はおかしい、あの数字はおかしい、みんなで検算して、5000億削減ではなくて4500億だったと、あるいは本当はよく計算したら6000億だったという削減効果かもしれない。
それは検算をすればいいわけですよね。
検算プロセスというのは大いにあってしかるべきで、なんら恥ずかしいことではない。

佐々木:
なるほど。
それによって孫さんのプランが否定されてもまったく問題ない。

孫:
もちろん検算した結果、こちらが大いに計算違いしてたと。何か重大な項目が抜け落ちてたと。
我々は謙虚に聞く耳を持っている。
だけど我々もプロとして、この世界に何年も生きてきて。しかも公開されているNTTさんの接続会計という。
NTTさんは半分公的な企業ですから、NTT法という法律のもとに経営の数字は可能な限り公開しなきゃいけない義務がある。
その公開されたNTTさんご自身が公開してる数字をベースに我々の専門家が分析して、出した数字ですから、そんなに外れてないと。

佐々木:
なるほど。
大きな議論を行ってそれが政策立案につながっていくのは大賛成です。
じゃあもう一つ聞きますけど。どこで集約するのがいいとお考えですか。
たとえばブログやあるいはツイッターみたいな場所で、いろんなところでいろんな議論が行われる。
それはどっかに集約しないと政策立案に行かないわけです。
それはどういう形がいいとお考えですか。

孫:
今まではタスクフォースということで総務大臣に、日本の政策立案を提言する、案を議論して大臣に政治判断を仰ぐというのが通常のプロセス。
その第一段階のタスクフォースとしての概ねの議論はなされた。つまり光を100%提供すべし、光を100%の家庭に提供したいと大臣がビジョンを出したわけです。担当所轄の大臣が。
そのビジョンに対して、私は実現する方法論を具体案を提案してますよね。で、その具体案以外の別の方法があるなら、その方法論A案、B案、C案と。
どちらにしろ光を100%提供する、しかも国費を1円も使わずにやる方法があるとするならば、その方法論に関する検証作業というのはあっていいと思う。
あるいはB案のほうがベター。C案のほうがベター。おんなじ光100%、あるいは超高速な情報インフラを提供するというビジョンに対して、実現する案が3つも4つも案があるならば、どの案がベストかという選択の議論はあってもいいと思いますよ。

やれるという案が一つでもあるのに、それをやらないと否定するだけはまずい。

佐々木:
それは仰るとおりですね。
そうするとどこかで政策立案のためのタスクフォースの専門チームみたいなのを立ち上げる。

孫:
だからタスクフォースの第一ステージが今まであったとするならば、ここからは第二ステージです。
第二ステージはその政策立案の具体案について検証しましょうという議論。あるいはB案C案とどっちがベターかという比較論をやりましょう。
やるかやらないかという議論は第一段階でやった。やるべきだ、国民にとってベターだ。
第二段階として、じゃ本当にやれるのか、本当に1円も国費を使わずにやれるのか。
僕はやれる案を具体案を出した。代替案があれば、どっちがいいかという議論は第二フェーズとしてあっていい。

佐々木:
なるほど。
ただね、個人的に、これは孫さんとは実はあまり関係なしに僕の個人的な印象なんですけど、そもそも総務省のタスクフォースというのは、○○○民主党に政権が変わったことによってIT戦略をゼロからクラッシュしましょう。
これからは、今までの○○○体制、政策がすでに党側にあって、それが降りてきてその政策の是々非々を有識者に議論してもらう、というのが審議会や委員会だったわけですね。
そういうやり方じゃ、これからは政策はできないと。

孫:
そうそうそうそう。
ようするに、一部の役人とか、一部の政治家の人が、密室でやるという時代は終わった。

佐々木:
だからタスクフォースでオープンな議論をして、これからどういうIT戦略が日本として重要なのかを考えましょうという話を僕はそのときに、僕も委員ですけども、内藤さんとか原口さんから聞いたはずなのに、なぜか半年たってみると「光の道」という政策が降りてきちゃってるわけですよね。
僕は本来「光の道」という提案そのものが間違ってるんじゃないかと、それはさっきお話したとおりなんです。もっとやるべきことが先に○○○あるだろうと。
にもかかわらず原口さんが光の道こそが前提である、その政策論議に○○○かなり疑問があるんですが。

孫:
それはね。僕はまずそもそも「光の道」というインフラの側と、佐々木さんが仰ってるような真ん中のプラットフォームのところと、一番上のコンテンツと、全部大切だと思ってる。どれが先ではなく。

佐々木:
そうですね。でも選択と集中は必要ですよ。

孫:
選択と集中というけども、さっき佐々木さんが仰ってた真ん中のプラットフォームを、たとえば国費を使って、でかいキーボードを作りましょうとか。トラックボールをお年寄りの、なんとか村、葉っぱ村のために、お年寄り向けのトラックボールを国費を使ってやりましょうというのは絶対反対なんです。
いままでそんなことをやってきた…

佐々木:
あのー、孫さんはもともとそういう社会主義的な政策はやらない人だと僕は思ってますし、だから逆にいうと、プラットフォームでやるべきことは国費でそういうことをやることではなくて、規制を撤廃することなんですよ。

孫:
規制の撤廃は絶対やらなきゃいけない。

佐々木:
でもアクセス回線の話はなぜか社会主義政策を言ってらっしゃることがどうしても疑問なんですが。

孫:
社会主義政策ってどういう意味で仰ってるのかわからないんだけど、アクセス回線会社をもし公営会社に切り替える。といったら社会主義ですよね。
あるいは巨大な国費をそれを1兆円投入、3兆円投入してやると。いうと社会主義なんですよ。

そうではなくて、すでにNTTは民間事業である。利益を求めて経営する会社である。今2500億円の赤字を出しているのを3000億円の黒字にしましょう。国費を1円も使わずに現在のNTT株主のままでいきましょう。ということをやれば、どこが社会主義かな。

佐々木:
ま、そうですよね。
国費が投じられないわけですから。

孫:
そうそう。

佐々木:
道路公団化しないという担保があるんであれば、僕は社会主義というのはいいすぎだったわけですね。
○○○

孫:
道路公団的に、国費を何兆円も使うというのであれば、僕も反対します。
そんな必要ないじゃないか。

いまメタル線で、大幅な赤字を垂れ流している。メタル線で1400円払ってる家庭に置き換えるわけですから、既に国民は払ってるわけです。1400円。

佐々木:
なるほど。

孫:
それをただ、無駄遣いになってる部分を、赤字垂れ流しになってる部分を、光に切り替えましょう。そう言ってるわけですね。

なぜ政府を交えた議論にしなきゃいけないか、ということが1点だけあります。

それはいままで政府の方針として、メタル線をユニバーサルサービスとして、全ての国民、求める国民にメタル回線を提供せねばならないという法律をNTTに課している。
このNTTに課しているメタル線を全員ほしい人に引かなきゃいけない、あるいはメタルにかわる光線をどっちか引かなきゃいけないという義務が、ユニバーサルサービスとして法律で決められているから。
NTTさんもなかなかね、両方向、○○○な二重構造は○○○。
つまりNTTは純粋民間企業ではなくて、もともと100%国費で作られた会社で、電電公社です。今でも筆頭株主は日本国家です。

ですからそういう会社に対しては、法律で定めていろんなルールを課してるNTT、しかも筆頭株主が国家
で、という会社だから、法律を変えて、政府主導で法律を変えて、メタル線を廃止しましょう。光に置き換えましょう。
でも光はユニバーサルサービス義務があります。離島も含めて。メタルに替わって。
それを法律で決める必要があるから、政府の議論が必要だ。

お金を使うんじゃなくて、政府が法律で枠組みを変えるべきだ。

佐々木:
国家のインフラですから、それをどうするかという話は非常に重要な問題であって、その政策立案になるのは当然の話だと思う。

孫:
そうです。

佐々木:
ただ問題はその立案をどういう形でやるか、最後の○○○の問題だと思うんです。
今日お話を聞いて分かったのは、孫さんがプランを提示されたのは僕は素晴らしいと思うし、最終的にどっかでもまれて政策につなげていかなければならない。その場合には反論される、否定されることも十分ありうる。

孫:
もちろんそうです。

佐々木:
NTTの側が正しいと証明されることも十分ありうるわけです。

孫:
NTTが間違ってると証明されることもある。

佐々木:
そうです。どちらもありうるわけですよね。
という意味ではまだ現在フリーハンドであるってこと。

孫:
そのフリーハンドの状態がね、5年も10年も続けてずるずると年間5000億ずつ赤字、多額の失う部分があるわけです。
毎年5000億、差額が。さっきの事例であるように。

ですからずるずると議論ばっかり先送りするのは本当は一番無駄遣いになる。ある程度の期限を作って、ある程度の議論をしたら、腹をくくらなきゃいけない。

物事というのはビジョンがあって、そのビジョンに対して実現不可能ならあきらめなきゃいけない。
実現可能かどうか、可能な案が何もないならば、やめるべきだ。
可能な案があるならやるべきだ。
そのビジョンが間違ったビジョンだというなら、これは当然否定しなきゃいけない。

だから僕が政治家に求めるのは、真の政治家に求めるなら、日本の天下国家をどうするか。どうしたら日本にとっていいのか、国民にとっていいのかという、ビジョンを考えるのが政治家の役割だ。

役人の役割はその政治家が掲げたビジョンが本当に実現できるのかの検証。
法律を決めるのが政治家の役割ですから、国民を代表して。法律を決めるということ以外に、政治家の本質的役割はない。
政治家の本質的役割は、結婚式に挨拶に行ったり葬式に挨拶に行くんじゃない。政治家の本質的役割はただ1つ、法律を決めること。

佐々木:
まあそうですね。

孫:
突き詰めて言えばね。
ですから、政治家が日本の天下国家のビジョンを考えて、どういう法律にすべきか、ユニバーサルサービス義務をどう変えるべきか。

今までアナログのテレビ放送が行われてた。アナログのテレビ放送を2011年で、法律で決めて、アナログの放送を停波して、デジタルに100%置き換える。ということを法律で決めたわけですね。

あれはビジョンがあって、そうしたほうがベターだということで、腹をくくったわけです。
当時いっぱい賛否両論ありましたけど、やっぱり僕は正しい決断だったと思いますよ。

もしテレビ放送がアナログ放送とデジタル放送と二重構造のまま走ったら、これまた赤字の垂れ流しになるわけです。
どっかで切り替えなきゃいけない。

切り替えてアナログテレビを停波することによってその電波が空いてくるわけです。空いた電波を携帯だとかいろんなものに使える。
そういうような政治判断というのが、どっかの局面で大切だと。

佐々木:
そうですね。それは僕はまったく賛成です。
その立案プロセスに○○○する○○○が、その話については今後すすめなきゃいけない。
たぶん○○○は間違いない。

孫:
第一フェーズでそういうビジョンを、つまり国民にとって新しい時代の、50年に1回、100年に1回のネットワーク、通信プラットフォームのパラダイムシフトをやるべきかどうか、

もういいよ、別にテレビじゃないから。
何分とか言うな!

佐々木:
はははは。

そらの:
(「22時に10分トイレ休憩いれます」というカンペ)

孫:
せっかく気合はいってるのに。
おしっこタイムいらない!
わかった。せっかくのってるときに。
○○○

佐々木:
まあでもちょっと休憩しましょうか。

孫:
もうちょっとあと5分くらい話しましょう。
それで休憩するから。

ようするに、日本の今の政治家に一番求められているのは、腹をくくるということだと思う。

佐々木:
腹をくくって間違った政策をやったら

孫:
もちろん間違った政策は一番まずい。

佐々木:
そうするとその政策をきちんと検証する場所も必要なのでは。

孫:
当然必要です。

佐々木:
○○○作業だけじゃなくて。

孫:
当然必要です。

佐々木:
じゃあそれを誰がやるのか。

孫:
いやだから第一フェーズはさっき仰ったようにタスクフォースで佐々木さんも委員の一人として、本当にこういうことをやるべきかどうかと、本当に日本の社会にとって必要かどうかという議論がなされた。

第二フェーズで、第一フェーズで具体的な方法論がいくつか出てきた。

佐々木:
ただね、第一○○○議論してますけども、全世帯にブロードバンドを引かなきゃいけないというミッションが突然降りてきて、かなり混乱しているのは事実なんです。

孫:
ミッションじゃないと思います。ビジョンです。

佐々木:
まあでもその作業チームにとってはミッションですよね。

それをどういうふうに実現するか考えなさいと仰った、原口さんが。どうするかと困っちゃうわけですよね。
無料で普及させるのはほとんど不可能なわけだから、じゃあしょうがないからブロードバンドのバウチャーを○○○みたいに配るか、その費用は、

孫:
まったくナンセンスな議論ですね。
また国費を使って無駄金を使ってというのは、方法論として間違った方法論です。
僕が言ってる方法論は、同じビジョンでも国費を1円も使わない。
あらたな何か国費を使ったバウチャーを配るとか、まったくナンセンスですよ。
僕はそんなことは間違った方法論だと申し上げてるんですね。
ですから少なくともビジョンが掲げられて、そのビジョンに対して方法論、バウチャーで金をばらまくという方法論は、

佐々木:
そういう提案が出てくるというのは、なんでかというと、それはですね、バウチャーが正しいと僕は何も言ってなくて、結果的にそういう突然ブロードバンドの普及なんて、まったく今の状況に、時代にそぐわないミッションが降りてきたので混乱してる。

孫:
そぐわないというのは言いすぎだと思いますよ。
韓国もそういうふうに言ってる、シンガポールも、アメリカも言ってる。各国が21世紀の通信インフラの○○○を争うような時代にはいってるんです。
ですから

佐々木:
アメリカなんかの場合、韓国もそうですけど、ブロードバンドが遅れてるからですよね。基本的に。

孫:
ブロードバンドは韓国は日本よりはるかに進んでますよ。

佐々木:
いや進んでないですよ。

孫:
何仰ってます。韓国は普及率も速度もはるかに進んでます。

佐々木:
普及率は早かったけど、速度に関しては○○○日本のほうが速いですよ。

孫:
間違いです。

佐々木:
そうですか。

孫:
間違いです。彼らは光を引きまくってますし、実効速度ははるかに速い状態、普及率もはるかに高い状態になってる。しかもものすごい勢いでやりまくってますよ。
ですから普及率で日本が一時ブロードバンドの世界一安い、世界一速いとなりましたが、今は16位に転落したんです。

佐々木:
日本の○○○の話に戻しますと、今ほとんど語られているのは、なぜこれまで利活用が進んでないか、その議論なわけですよね。
話を戻すと、それが孫さんは値段が高いからだと仰る。値段が本当に1000円2000円安くしたからといって、6000円が4000円になったから、4000円が2000円になったからといって、それくらいのレベルの価格差で本当に普及が進むのかどうか、僕はこれかなり疑問だと思うんです。

そこは本当どうなんですか?

孫:
少なくとも、今100人国民がいたとして、30人が光を使ってる。30人から40人がメタルを使ってて、30人か40人は黒電話のまま。あるいは一般の電話のまま。
ですから、トータルで6割から7割の人は、それこそADSLまたは光を使ってる。ADSLの人はメタルを前提としたブロードバンドですけども、ADSLの人は少なくとも今のADSLより安い価格の光になると言って反対する人はいないと思う。

佐々木:
だから回線が整ったとしても、我々の生活に密着するサービスがまったく存在しない状況の中で、それがいい状況だと言えるのかどうかという話なんです。

孫:
わかりました。
じゃあ第三幕として、利活用について僕なりの案がありますから、それを語りましょう。

佐々木:
わかりました。

孫:
あいつらがうるさいから。しょうがない。
(休憩は)何分あるんですか? 10分。

じゃあツイッターとかUST見てる人も10分トイレ行きましょう。
よろしくお願いします。

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