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【全文書き起こし】アメリカ式成功するプレゼンのコツ①

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ブランドン氏:
はじめまして。btraxのブランドンです。お集まりありがとうございます。

今日は日本からUstreamで見ている人が結構いるみたいなんで、ありがたい限りなんですけど。
聞こえます?奥、アリーナもスタンドも、全部いける?大丈夫?(会場から笑)めっちゃいるから(笑)

そもそも、今回この『アメリカ式効果的なプレゼンテーションの技法』っていうテーマにしようと思ったのが、「日経ビジネスアソシエ」って知ってます?これで英語を喋るとか、英語でのプレゼンのコツみたいな特集を4月号でやってまして、取材されたんです。

「英語でプレゼンするコツは何ですか?」みたいな。日経BP社に伺い、このページに載ってるんですけど、「日本の人がアメリカでプレゼンするのどうですか?」といろいろ聞かれ、「いやーものすごいいいですよ」「問題ないですよ」みたいな話をしてて、「最後に強いて足りないところありませんか?」って言われて、ちょっとこんな感じかなって言ったのが、それしか載ってないと。(笑)
「日本人はプレゼン下手だ」みたいなこと書かれてしまい、ちょっと申し訳なかったんで。罪滅ぼしも含め、そういう部分をどう改善するかという話を今日させて頂ければと思います。
では、始めます。

 

今日の構成なんですけれども、まずは、なぜプレゼンするのがアメリカで重要なのかって、ロシエルも言ってたんですけどすごい重要なんで、なぜ重要かってところ。何で難しいか。なぜ日本の人とかが難しいと感じているか。
やってはいけないこと、これはダメですよっていうこと。そして、構成としてどういう構成だといいかっていうこと、細かなコツと、最後に素晴らしいプレゼンターに必要な要素。
それぞれをちょっとずつ説明できればと思います。全体で30分僕が説明して、それで15分くらい質疑Q&Aタイムがあればと思います。

では、始めます。

まず、なぜ重要か?

これ最近も少し話題になっている『なぜから始めてみよう』という考え方。どうしてそもそも重要なのかというところから始められればと思います。

まず、「何でプレゼンが重要か」というと、簡単に言うとビジネスとか仕事とか、何でもいいんですけれども、誰かが何か優秀な時に、その人自身がすごく優秀でもそれが相手に伝わらなければ優秀だと見なされないんです。

アメリカだと「阿吽の呼吸」とか「空気を読む」みたいな文化がないので、しっかりかっちり伝えないとその人が優秀かどうかが全く伝わらないと。

プレゼンに限ったことじゃないんですけど、コミュニケーションをするっていうのはすごく重要で。

アメリカのキャリアにおける、出世するとかビジネスで成功する要素としては、よく言われているのが「90%のコミュニケーション能力と10%の専門能力が必要」だと言われるぐらい、コミュニケーションが占める割合というのは大きいです。なので、プレゼンテーションをするっていうのが、すごく重要な生活の1つになっています。

ちなみに就職活動をする際もプレゼン能力って実はすごく必要とされていて、僕が経営しているbtraxという会社、デザインとかWebストラテジーとかWebコンサルティングをやってる会社なんですけど、面接する時に2次、3次ぐらいまであるのかな、その最後まで行った人にはプレゼンしてもらいます。

自分がやりたいこととか会社に貢献できることを目の前で「プレゼンして」って言ってプレゼンしてもらうんで、プレゼン能力で合否が決まるぐらいになってます。

あと、職業柄、プレゼンとあんまり縁がないと思っている職業ってあると思うんですよ。例えば、エンジニアとか。自分でコードを描いていればいいからプレゼン能力必要ないでしょうと思われがちなんですけど、シリコンバレーだと結構そうでもなくて、コミュニケーション能力とプレゼン能力はすごく重要です。

例えば僕の友達のシュウ・ウエスギ、通称ちびコードっていう彼がいるんですけど、彼はFacebookやAppleでインターンして、Quoraで働いていたっていう人間で、彼と会った時に「Appleでインターンでどういうことしたの?」って聞いたら、「エンジニアインターンだったんですよ」って。
「どういうことを教えられた?」って言ったら、「朝から晩までプレゼン方法です」って言ってたんです。エンジニアだけど、とりあえずプレゼンする力を身につけろってことで、そればっかりを教えられ、叩き込まれたって言ってました。それぐらい重要だっていうこと。

次、なぜ難しいか?

特に日本の人たちにとってはプレゼンするのがすごく難しいと思う人が多いと思うんですけど、なぜ難しいかというと、まず「英語の壁」っていう言葉の問題。英語を話さずに育ったりすると、英語でプレゼンしようと言われても難しいよと思っちゃうんですけど。

実は英語ってプレゼンにすごく向いている言葉で、僕は今、日本語でプレゼンしてるとものすごい違和感というか、すごい緊張してるんです。
なぜかと言うと、バシッとものを言ったら結構乱暴に聞こえちゃうから。英語だとバシバシバシって事実だけ述べたりとか、ポイントだけを並べても全く問題ないんですけど、日本語だとちょっと無礼に感じられちゃうんで、むしろ英語の方がやりやすいかなと思います。

あと、プレゼンの構成なんかも日本とアメリカでちょっと違うんで、気にする部分かなと思います。あと、ロシエルが言ってたプレゼンする機会が日本は極端に少ない。アメリカだと幼稚園で学ぶって言ってましたけど、「パーティーに行ってちょっとスピーチして」とか「誕生パーティーでちょっとスピーチして」とか、ランチタイムに皆で同僚集まってちょっと説明したりとか、ものすごくプレゼンする機会が多いんです。

なので、日本の生活だとプレゼンする機会がないんで、場慣れしてないという感じもありますよね。あと、プレゼン上手な人たちと触れ合う機会も、日本はもしかしたら少ないのかなと思います。

例えば、日本の歴代、もしくは現役総理大臣でプレゼン上手な人って思いつきます?これほとんど皆無だと思うんです。アメリカってプレジデント、大統領は、絶対、全員、間違いなくプレゼン上手です。プレゼン上手じゃないと絶対に当選しないし、国のリーダーはできないんです。
国のリーダーだけじゃなくて会社のリーダーとか、組織のリーダーになるにもプレゼン能力がすごく重要なので、プレゼンの上手な人に触れ合う機会が多いっていうこと。日本だと少ないというそこが結構ハードルになってるかなと思います。

 

次、やっちゃいけないことの話をしましょうか。

僕、最近、プレゼンを見ながら評価したり審査したり感想を言う機会が結構多くて、それでいろいろ見て来てるんですけど。日本の人たちが、アメリカでプレゼンするときにおかしてしまう一番大きな失敗というのは、最初プレゼンが始まって何を話すかというところ、「僕はどこどこの会社の●●部の●●役職でこういう経歴です。」っていうすごく丁寧な自己紹介するんです。

これは日本の文化で、名刺をまず渡して自己紹介するっていうので慣れてると思うんですけど、アメリカってそれは結構すっ飛ばしてしまって、相手の興味を得てから自分に興味を持ってもらってから「実は僕こういう人なんです」っていう、そういうのが多いんです。プレゼンだけじゃなくてパーティーで会ったりとか、ビジネスネットワークパーティーで会ったときに、面白い話をしながら共通の興味を得てから最終的に「そういえば、君名前何ていうの?」って、それよくあるパターン。

プレゼンするときも、最初のスライド1、2、3ページぐらい全部自己紹介に使っちゃったら、時間もスペースももったいないんで、そこを気をつけたほうがいいかなと思います。

あと、スライドに情報がすごい沢山あって、それを読む人、それも良くないです。読んじゃう感じ。読んでると眠くなっちゃうんで、それも良くないかなと。

あとは、アメリカだからつかみで冗談を言ったらいいと思う人がいるんですけど、これも結構間違いでジョークは結構繊細な部分があります。例えば、人種に関することとか宗教のことダメとかありますけど、それ以外にも言ってはいけないこととか、空気に合わないことってあるので、ジョークでプレゼンを進めるのはあまりおすすめしません。軽いユーモアはいいんですけど、ジョークは結構危ないかなと思います。

これも日本の方のすごい弱点なんですけど、自信がない発言をしてしまう。プレゼン始まったときに、英語のプレゼンだから「すみません。僕英語苦手なんです」って、「My English is not good.」とかそういうのを最初に始めちゃう。それだとちょっと聞いてるほうが自信なくなっちゃうんで、そこは自信満々でもいいかなと思います。

スライド自体も情報量が多すぎるケースって日本は多いと思うんですよ。グラフがたくさんあって、文字がたくさんあって、見ている人は読めない。字が小さすぎて分からないし、そういうのがあるんで、そこもなるべくシンプルにしたほうがいいかなという。こんな感じ。

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こういうのよく見かけるんですけど、こういうのを表示して、「じゃあ説明します」なんて、「左上から」って、分からないっていう感じで。挙げ句の果てに「お手元の資料が…」っていう話になっちゃって。「それプレゼン?」みたいな。そういうケースがあるんで、ちょっと気をつけてシンプルに作ったほうがいいかなと思います。

じゃあ次、成功するプレゼンの構成です。

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