「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その3)

(この項はツイッター総研の孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その3)をそのまま転載したものです)

(その2から続き)

通信の速度、これが750倍になった。
携帯にはいってるCPUの演算処理速度。これが500倍になった。

ものすごい勢いでまだまだ進化している。
ものすごい勢いで成長している。

逆に言うとですね、産業革命の後期にある、末期にある分野、代表的な例が自動車です。

自動車はこの10年間で、エンジンの速度が何倍になったのか。
1.1倍ですよ。1.1倍。

たった1.1倍しか伸びてない。
つまり成熟産業なんです。完全なる成熟産業。だからアメリカの自動車会社が、三大自動車会社が全部おかしくなった。
あれほど栄えてたアメリカの自動車会社が、全滅状態になった。

ついこのあいだトヨタがぶっちぎりで世界最大の自動車産業、利益を出して、日本でも最大の利益を出して、これからトヨタの天下がずっと続く。多くの人が思ったわけです。

でも、大赤字に転落した。
いまから復活してくると思いますけど、復活はするでしょうけども、輝かしい、大きな成長がこれからどれほど見込めるのか。
ということでいえば、若干クエスチョンマーク。

なぜなら成熟産業だから。
成熟した産業は、賃金の安い国。資源の安い国に、国内の、自国の国のユーザー、消費者をたくさん持ってる国に需要が移ってしまう。

そういう意味で厳しいというわけですね。

だけど、モバイルインターネットの世界は、まだ始まったばかり。

この中でiPhone使ってる人、手を挙げて。
おー、すごい。8割5分だな。

こん中でツイッター使ってる人、手を挙げて。
あーすごいわ。98%ぐらいですね。

すごい。

僕がすごいと思うのはね、ヤフーを始めて、1年後のこういう新卒の説明会で、同じように聞いたんです。ヤフージャパンを始めて1年目。
まだ日本の消費者がほとんど使ってないとき。
この学生の皆さんに聞いたら、98%くらいの人がヤフーを使ってる人で手を挙げる。

日本でまだ8割以上の人がiPhone使ってる状態じゃないよ。
98%の人がツイッター使ってる状態にはまだほど遠い。

でもここにいる感度ビンビンの皆さん。
8割以上、8割5分くらいの人がiPhone使ってる。
それだけ感度が高い人たちが今日集まってる。

うれしい。すごくうれしいです。
まさに皆さんは分かってる。本能で分かってる。

世の人々よりも先に立ってるということであります。

ということで、これから世界の携帯電話のユーザーは、7億人から、この10年間で50億人に増えたんです。

sonlive2011

さらに増えます。
モバイルインターネットが世界のユーザーが続々とこれから増えてくる。

sonlive2011

そしてインターネット市場が、これからは電話の会社を中心とした携帯ではなくて、インターネットの会社を中心とした、モバイルインターネットの時代になる。

携帯電話は電話会社がほとんど始めました。

インターネット会社が携帯の会社を買収したというのは、おそらく我が社が初めてだろうと。
でもこれからは、違うんです。

携帯が音声を中心とした携帯「電話」と言われる時代から、携帯「インターネット」と呼ばれる時代になる。
モバイルインターネットという時代になる。

ますますiPhoneは強くなる。
もちろんiPhone以外にもAndroidの、スマートフォンも続々と出てくる。

こういう時代がくる。

日本でもiPhone売れまくってます。

sonlive2011

ツイッターでも、私は人々に多くの人々に聞きました。
30年後の教育はどうあるべきですか?

聞いたら一瞬で、1時間で230件の意見が寄せられた。
そういう時代が来る。

人間の脳を、人々の知恵と知識を集めた。そういうことを推進して、人類の社会、発展に、幸せに貢献する、それがソフトバンクの理念です。志です。

sonlive2011

まさにツイッターがその状態だ。
私がツイッターに熱くなるのは、そういう理由です。

ツイッターだけに限りません。
ツイッターが先進的な事例ということであります。

人々の脳と脳を合わせたように、知恵と知識を集めて、人々がより幸せになれる。そういう社会がやってきた。
それに我々は貢献したい。

やりましょうリストも、昨日発表しました。

sonlive2011

私がすぐツイッターでいろんな人からリクエストが来るとですね、「やりましょう!」
社員が右往左往する。

sonlive2011

http://togetter.com/id/SoftBankCorp

言ったことをちゃんと果たさないといけない。
工程表を作った。
「やりましょう」リスト。
「できました」リスト。
「検討します」リスト。
3つに分けた。

これからどんどんと経営の意思決定の速度を速くする。
経営意思決定をするのに消費者の皆さん、ユーザーの皆さんと直接対話できるような状況に持っていきたい。

さらに、今日も流していますが、Ustreamも、文字だけじゃなくて、リアルタイムの動画で世界中の人々と情報共有する。

sonlive2011

そこに世界中の人々が、ツイッターで文字で意見を双方向で寄せられる。

人と人の心がつながる。

決算発表会もこないだやりました。
これも初めてUstreamで流しました。
なんと決算発表会の間だけで、10500件のツイートが来た。
1回の決算発表会で。リアルタイムに。
すごいことですよ。
ありえない。

流れてくるツイートの状態が、映画でありましたね緑色の文字がダーッと。MATRIX。あの状態。動体視力を。という感じで。

すごい勢いで流れました。

そういう時代がやってきたということですね。

ライブの中継も配信されました。

sonlive2011

あらゆるコンテンツが流れる。
まさにモバイルインターネットの時代がこれからやってくる。

それが1点目。

もう1点目は、アジアを制する者が世界を制する。

sonlive2011

中国のGDPが、今年確実に日本を抜きます。
世界で2位になります。

sonlive2011

そのまま勢いが止まらないで、アメリカを抜くところまで行く。
中国は世界最大のGDP国家になる。

sonlive2011

インターネットの通信も、10年ちょっと前、アメリカが5割くらいあった。アジアは19%。

それがいまや、これからもうじき、アジアが50%。アメリカが12%。
つまりアジアを制したものがインターネットを制するという時代が、間違いなく来る。

sonlive2011

ゲームソフトの市場。
これも全部インターネットになっていく。急成長する中国は日本を確実に抜いていく。

sonlive2011

そのアジアで、ソフトバンクグループは着々と手を打ってきています。
つまり中国が一番大切なんです。

中国の企業間のイーコマース、ナンバーワンのシェア、99%のシェアを取ってる。

B2C、C2C、日本でいう楽天だとか、ヤフーショッピングだとか、アメリカでいうアマゾン、イーベイに相当する企業がタオバオです。
このタオバオは、中国全部のオンラインショッピングの8割のシェアを取ってる。

オンラインの支払いの決済でも、9割シェアを取ってる。

SNS。ソーシャルネットワーク。日本でいうmixiだとか、ツイッターとか。圧倒的なシェアを取っている。

sonlive2011

イーコマースの規模。
日本をはるかに越える。

sonlive2011

ソフトバンクグループのタオバオは、オレンジ色。今年は5兆円くらいです。

楽天はまあ8000億円くらい。

同じ日本円に換算して、圧倒的に伸びている。

これはソフトバンクとアリババが50%ずつ出したジョイントベンチャーで作った会社がタオバオであります。

sonlive2011

アリペイのユーザーも、中国全土のクレジットカードを抜いた。

sonlive2011

人人(レンレン)。これは日本のmixiとかモバゲーとかに相当するもの。これも8割以上のシェアを取っている。1億3000万人。

sonlive2011

そういうものを単純合算すると、ソフトバンクグループの中国におけるインターネットユーザーは、ソフトバンクグループだけで6億人いました。ダントツ。

さらに、モバイルインターネットとして、中国一のチャイナモバイル。ヨーロッパ一のボーダフォン。アメリカ一のベライゾンの会長を説得して、4社のジョイントベンチャーを作りました。
これがJILです。

4社の合弁会社の会長を私が、初代会長を務める。まあ一応持ち回りですけどね。初代は私にやってくれといわれました。

いまこの顧客規模が10億人いる。

ここから最後ひとことが入ります。

sonlive2011

いま50代です。52歳ですが、60代になったら、61歳から69歳のどこかで、皆さんの世代にバトンを渡す。
次の時代に経営を移す。

sonlive2011

そこで、今年の6月の株主総会で、ソフトバンク30年ビジョンを出す。
ちょうど30周年になります、今年。
30周年になりますので、次の30年分のビジョンを発表します。

sonlive2011

30年前に掲げたビジョン。
それは、マイクロコンピューターのチップがあらゆる人類の未来を一新させる。
将来可能性のあるビジョン。

現在、まさにそうなっています。
マイクロコンピューターは自動車にもエアコンにもパソコンにもテレビにも携帯にも、ありとあらゆるものに入ってます。

そのときのビジョンが、このように実現したわけです。

sonlive2011

もうひとつのポイントは、30年前に、数は一兆二兆(一丁二丁)と数える規模にしてみせる。

まさに現在、売り上げが2.7兆円になりました。
2兆円の買収も行いました。
売り上げも買収も、一兆二兆と数える規模になりました。

これからどうなるのか。
まずは大きな枠組みで見ると。

sonlive2011

コンピューターは脳細胞を超える。
人間の脳細胞は300億個。シナプスというものがあります。くっついたり離れたり。300億個あります。
人間の脳は有限です。

2000年前も現代も同じです。
今から2000年後も300億個です。

sonlive2011

人間の脳細胞の数はもう決まってる。DNAで。
でもコンピューターは違います。

2018年にワンチップの中に入ってるトランジスターの数が、300億個を超えます。

人間の脳細胞もオン・オフで、くっついたか離れたかで、シナプスがくっついたか離れたかで記憶をしたり、考えるということをしてる。

トランジスターも、くっついたり離れたり、電流が流れる・流れないでオン・オフ。人間の脳もコンピューターのチップも2進法です。

ですからハードウェアの面では、コンピューターのチップが人間の脳細胞を機能的に超えるのは、ハードウェアの面で超えるのは2018年前後です。

2018年に300億個を超えるだろうということを、私は20年前に計算しました。
予測を立てました。

実際にも今その通りのペースで動いています。

もう一度計算しなおしました。2年くらい前に。
おんなじ結果が出ました。

ですからまさにそのペースで動いている。

そのような進化が生まれるとき、人間社会がどうなるのか。テクノロジーはどうなるのか。人々のライフスタイルはどうなるのか。
ということを、これからまとめてですね、6月に発表します。

ソフトバンクのめざすべき、21世紀の人々のライフスタイルについてのビジョン。そこにソフトバンクが経営としてどう取り組んでいくか、ということを掲げたい。

志は1回も変わっていません。

その志を実現させるためのビジョンであります。

sonlive2011

で、私は60代で引退したあとに、何をするんだ?

私の夢は、ソフトバンクアカデミア、設立。そこの初代校長先生になりたい。

sonlive2011

夢は私のささやかな最後の夢である校長先生になりたい。

何をするところですか?

もともとアカデミアとは語源、最初のオリジンは、紀元前387年、プラトンが創設。哲学を教授した。
15世紀にメディチ家によって「プラトンアカデミー」として復興した。

もう一度21世紀に、ソフトバンクアカデミアとしてさらに振興させたい。

そのアカデメイア。最初の入り口に書いてある。

sonlive2011

幾何学を知らぬ者、この門をくぐるべからず。

ソフトバンクアカデミアの門に書きたい。

デジタル情報革命の志を持たない者、この門をくぐるべからず。

そのソフトバンクアカデミアは、ソフトバンクグループの経営陣を育てる。リーダーを育てる。
そのための学校である。

sonlive2011

リーダーに求められる必要不可欠な条件、それが「高い志」である。

皆さん、全員がリーダーになる資格がある。
皆さん全員が、イコールチャンスを持ってます。

ちなみに私の後継者になると、ソフトバンクグループの社長になる人には、とりあえずストックオプションで100億円ぐらいは出したい。

ですから皆さんも退職金ソフトバンクに入ると2000万かな、1000万かな、3000万かな。そういうちまい計算はしないでほしい。

やるなら100億円くらいちょっともらおうかな。
そのくらいの気持ちでいて丁度いい。

でもそれは、お金のためにものを考えてはいけない。
さっき僕が言ったとおりですね。

でもやるなら、そのくらいのことは経営者には渡すつもりですよ。

僕の直接の、グループ全体の後継者にならなくたって、5000社くらい作りたいと思ってますから。ソフトバンクグループ。
いま800社です。

800社くらいしたい! ソフトバンクグループがまだ4、5社のときに僕は言いました。
ソフトバンクグループはいずれ800社ぐらいにするぞ。

800という数字どっからきたんですか?
まだ10社くらいに言ったら部下に聞かれた。
800ってどこから来た数字ですか? 何の根拠ですか。

そんな根拠なんかない。嘘でも800だーッ!

本当に800社になりました。

800社になりましたが、僕が引退するころには、5000社くらいにしたい。

あんまり根拠ありません。
でもそのくらいにしたい、というイメージを持ってる。

ですからこのソフトバンクアカデミアのそういう経営陣だけでも5000人になる。

sonlive2011

5000人の社長になる資格がある。
5000人のCFOになる資格がある。
CTOになる資格がある。
財務の責任者、技術の責任者。
そういう資格がある。

副社長になる、役員になる資格がある。

5000社あれば社長だけで5000人ですから。

経営者道場。

5000社あれば、社長と財務担当総責任者と技術担当総責任者、それだけで15000人になります。

sonlive2011

さらにそれはソフトバンクグループを離れて、もう少し多くの人にできたら広めていきたいなと思っています。

そういうものを21世紀のプラトンアカデミーにしていきたい。

金を残すより、
名誉を残すより、
人を残したい。
人に志を残したい。

というわけで30年ビジョンを6月に発表します。

30年後のビジョン、その主役は、あなたです。

sonlive2011

今日ご縁があって、これからソフトバンクの新卒社員として入る人もいる、あるいはそうでない人もいると思います。
でもそういう人にとっては、今日の皆さんとの出会いが、一生の中で、今日が初めての出会いです。

生で僕を見て、生孫だーッ!と時々ツイッターでますね。
生で僕の声を聞いて、生で僕の目を見て、こういう一緒の部屋で空気を過ごすのは、生まれて初めてで、今日が最後。
今日が最後になる人が、大半だと思います。

ひとつだけ、せっかくの機会で同じ部屋にいたら覚えていてほしいことがある。
志とは。
人生とは。
皆さんが登りたい山を、自分で登りたい山を、この1年くらいで決めてほしい。

自分の人生を何に賭けたいのか、心に決めておく。

残された人生の年齢が少ないと、実現できる可能性がそのぶん減る。

sonlive2011

早く志を持つものが強い。
自分の人生を無駄にしない。

一回しかない人生を無駄にしないでください。
大切にしろよ。

自分の登りたい山を決めないで歩くのは、さ迷うに等しい。
一生懸命歩いたって、みんな一生懸命生きてるんです。皆さんの親も、友達も親戚も、みんな一生懸命生きてるんです。

だけど、登りたい山を決めてない人が、腹の底から決めきれてない人が、実は99%なんです。

なんとなく人生を過ごしている。こんなはずじゃなかった。
皆さんのご両親も大概言ってるよ。

99%の人がしっかりと腹の底から自分の登るべき山を、自分の夢、自分の志を決め切れてない。

このことだけは、覚えといてください。

この1点だけ。

ソフトバンクのほかの数字なんて全部忘れていい。そんなことどうでもいい。

自分自身のために、僕の言った話は全部忘れていい。
皆さん自分自身のために、自分の人生って何だ?
自分は何の事を成したいんだ?

この1回だけは決めてほしい。

大切ですよ。

自分の人生。
目指すべき山、これを決めてほしい。

sonlive2011

起業の思い。
私にとってですよ。

龍馬の本にめぐりあえた。
世に生を得るは「事を成す」にあり。

事を成す。それは自分にとっての志を成す。

志ということです。

sonlive2011

そこでソフトバンクは会社を興しました。

もしご縁があって、ソフトバンクに一緒に入社して、一緒に山を登ろう。

何か孫が面白いことを言うとる。あの男に一緒について山登ろう。という人にとっては、より直接的な仲間になる。

一人で登る山。それはそれで素晴らしいけど、一緒に登る山、これはこれで楽しいですよ。

遠足行っても一人で行ったら遠足楽しくないでしょう。
クラスメイトみんなと一緒に行くと、山登りしても楽しいじゃないか。

会社とは何か?

日本で最初に誰が作ったか知ってますか?
日本で初の株式会社を誰が作ったか。
坂本龍馬です。

日本の株式会社第一号。それは坂本龍馬が作った亀山社中。

これが最初の、日本第一号の株式会社。

ですから一緒に山を登るということは楽しいことです。

会社とは何か?
カンパニー。「カン」というのは「一緒」です。
「パニー」はパンを一緒に食べる仲間たち。
食をともにする。

これが会社の語源です。

カンパニーとしてもっとも大切なのは、食べるパン以上に、志を一緒に食べる。志を一緒に共有する。
これがもっとも大切なことだと私は思います。

さっき言いました。
会社を始めて1年半で、肝臓を患い、3年半、入院出たり入ったり。

そのときにですね、病院のベッドで泣きました。
まだ会社始めて1年半ですよ。
入院しなきゃならない。
借金もある。ま借金はいつでもありますけど。
会社始めたばかりでお客様も社員も
娘も産まれたばっかりだ。

で、医者からは「もってあと5年だ」と言われた。命が。

こんなに勉強して、熱い想いで会社を興して、成したい事があるのに、たった5年で俺の命は終わるのか!

もうヤケクソですよ。
えーいクソッ!

何のために会社を興したんだ。
ボロボロに泣きましたよ。一人でね。

もうそれこそ、物欲なんか全部なくなりますよ。
洋服なんていらん、家もいらん、車もいらん。
命だけほしい。

命だけほしい。命さえあれば、家族に会える。

皆さんも余命あと5年とか言われたらどうします?

そのときに僕は思った。

もう会社はどうでもいい。

お客さんどうでもいい。

命さえあれば。産まれたばかりの娘、その笑顔をもうちょっと見ていたい。

そのときにね、龍馬の本をもう一回読んだんです。

龍馬は33歳で死にました。
最後の5年でどでかいことをした。

じゃあ俺だって5年間だ。
命より残ってる5年間でまだやれることがあるんじゃないか。

頑張って仕事すれば、娘の笑顔をまた見れる。

病院のベッドを抜け出して、命縮まると言われて医者から怒られながら会社の仕事。

結局俺何のためにやってるんだろうと思ったら、笑顔が見たい。

大きな大義とかどうでもいいと思ったんですよ。
笑顔が見たい。

何がほしいか。娘の笑顔がほしい。
娘の笑顔だけでいいか?

いやいや、家族みんなの笑顔がみたい。
親も、兄弟も、笑顔が見たい。
それだけでいいか?

社員の笑顔が見たいな。一緒に働いた。
助けてくれたお客さんの笑顔も見たい。
お客さんてどれくらいだ。

見も知らない知りもしないどっか遠くの国の、カンボジアかどっかの山ん中のどろんこに顔を汚した5歳くらいのちっちゃな女の子が笑顔で天を仰いでいる。

誰に感謝していいか分からないけど、ありがとうとつぶやいている。

そんなことができたら、自分としては幸せかな。

そう思うと、やっぱり最後にもどったのは、究極の自己満足。

自分が満足するために仕事をしてるんだ。

究極の自己満足というのは、自分のエゴのための満足じゃなくて、自分の物欲とか名誉欲とかじゃなくて、自分の究極の自己満足は、わけのわからない、どこか遠くにいる人から、名前も覚えてもらってなくてもいいから、感謝を一言ちっちゃくつぶやいてもらいたい。

それだけで満足だ。

というのが、僕の最後の結論です。

sonlive2011

事を成す。
かっこいいことを言う必要はない。
難しい言葉を言う必要はない。

僕に与えられたのはただひとつ。

人生の命題は、コンピューターを使って、インターネットを使って、デジタル情報革命を起こす。そのデジタル情報革命をすることによって、多くの人々が、まさにもうツイッターのように、知恵と知識を共有できて、500年後1000年後の人々が感謝をしてくれる。

わけも分からずに直接我々あるいは間接的に、ありがとうと、ただ一言つぶやいて、それだけでいい。

それが僕にとって、そして僕についてきてくれるカンパニーとしてのソフトバンクの社員の人たちに、共有して持ってほしい。
ソフトバンクの社員にならなかった人にも、今日ここにいる皆さん。そして今ツイッターで僕がしゃべってる内容を一部でも共有していただいた皆さん。Ustreamを見ながら、僕の想いを共有していただいた皆さん。みんながなんらかの形で、幸せになってくれればと。

みんながちょっとでもそういう気持ちを共有して、残りの多くの人々に少しでも幸せを提供できたら、人類がもっと平和になって、多くの人々がもっと幸せになれる。そんな世の中にできたらいいなと、僕は思っています。

そういう想いを込めて、僕の一番好きなビデオを最後にちょっとそれだけ2、3分見ていただきたいと思います。

ありがとうございました。

(了)

追記

講演後に流れた映像を見つけましたので紹介しておきます。
現地で講演をみていた方が撮影されたもののようで、あまり画質はよくありませんが、参考までに。

これは「Believe in Technology(ビリーブ・イン・テクノロジー)」といって、10年近く前にソフトバンクグループの会社で作成された映像です。グループ内でよく上映されるものだそうです。

関連の書き起こし