橋下知事(2010年)「ボランティア休暇の廃止、福利厚生を増やすのは簡単」

(記者)特殊勤務手当とか、休暇制度の見直しを進められる中で、ボランティア休暇制度を廃止される方針を打ち出されましたけれども、全国的に見ると異例というか、職員の中からも、識者も含めて、「いきなり廃止というのは乱暴じゃないかという指摘もあるんですけれども、知事のお考えとしては。

(橋下知事)これはね、ボランティア休暇ということだけを見るからそういう風になる訳で。民間企業だったら、これはもうすごい取り組みでね。民間企業のボランティア休暇をどんどん広げていくっていうのは、それはそれはいいと思うんですけども。公務員の世界は倒れないですから。休暇とかをつけたら、もう青天井ですよ。だから、休暇にしても手当にしても、公務員の世界では労使交渉って言ったって天井がないんですもん、マーケットによる淘汰がない訳で。

本当に厳しい民間企業がボランティア休暇できるかといったら、自分のところの財務状況、自分のところのコスト、財務マネジメントの観点から、そこでしっかり止めて「いやうちでボランティア休暇なんてやったらお前らの給料出ないぞ、どうするんだ、給料取るかボランティア休暇どっち取るんだ」って話ができますけど、公務員組織はそれがないんですよ。だからどんどん理想とか、どんどん福利厚生の話ばっかりが出てくる。で、それの象徴が社会保険庁じゃないですか。あれがもう象徴なんですよ。どんだけの福利厚生をやろうが手当をつけようが、倒れない。これは絶対だめ。

僕は、ボランティア休暇を決して悪とは思ってません。だけれども、まず一定の基準があるじゃないかと。何を基準にするんだと言ったら、やっぱり国会議員を交えてルール化した「国の基準」というものが、公務員もね、福利厚生、手当とか休暇とか、一つの基準っていうものをやっぱり打ち出さなければならない。

そこでね、なぜボランティア休暇廃止云々という話になったかというと、僕はね、国の基準に全部従えという考えではないです。地方の実情に応じて、地域の自治体が独自性を発揮するために、何かを膨らます、国の基準よりも膨らますというんだったら、そしたら国の基準よりも削る部分があるでしょ、そういう話なんですよ。
今の自治体、これは大阪府庁に限らずどこの自治体も増やすことばっかり。だから今回は育児関係、あれは国の基準よりも厚くしてます。厚くしてる以上はどこかで厳しいことをやらなきゃいけない、というのはそれを単純な発想でね。それをボランティア休暇のところだけを見て、職員がわーわー言ってるんだったらですね、それはまったく全体を見てない。削られることだけでヒステリックになってる典型例ですね。増やしてる部分があるんですから。

増やしてる部分と、削った部分をしっかりと合わせて、そして国基準で府民のみなさん、国民のみなさんに納得してもらうと。福利厚生を増やすなんてことは、公務員の世界ではこれは簡単ですよ。だから基準を作って、増やすところと減らすところでバランスをとる。だから、僕はボランティア休暇認めるんだったら、どっかで違う育児の部分、これは削っていかないと国民は納得しないと思いますね。そういう趣旨です。

(記者)ありがとうございました。

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