斑目春樹氏の質疑@国会事故調文字起こし パート3

大島 委員の大島でございます。私の方からは、原子力安全あるいは原子炉の安全といった問題につきましての、その国際的な側面、国際的な視野、こういった見地から質問をさせていただきたいと思います。ま、原子力の平和利用につきましては、国際的に、世界的に、その、一方で競争があり、他方で協力、特に、安全性セキュリティの向上については、国際的な協力、基準作りといったものが、まあ、IAEAを中心に進んでおるわけです。同時に、先ほどちょっと委員長も触れられましたけども、アメリカでのですね、えー、え、B5b(注:米原子力規制委員会-NRC-による、原発の大規模な機能喪失時の対応策で、2002年に出されたNRCの命令のB.5.b項にリストされていることからこう呼ばれる)のことをさっきおっしゃんたんだろうと思うんですけども、いわゆるよき先例、good practice をその、ま、取り入れて、ま、そういう側面もあろうかと思います。

ま、いずれにしましても、そういった、その、国際的に、その、合意されていく、作られていく基準のようなもんですね、まあ特に安全の問題につきまして。こういったものに対する日本、特に、その、安全、えー、委員会の、その取り組み、その必要性に対する認識というのをどういうふうに持っておられるか、ちょっと冒頭お聞きしたいと思います。

斑目 あの、これからのこと?

大島 今までも。

斑目 今までですか。

大島 はい。

斑目 あの、まずあの、先ほどのもう最初に冒頭に申し上げましたようにですね、あの、我が国の場合にはですね、国際的にどんどん、どんどん安全基準を高めるという動きがあるところ、なぜ日本ではそれはしなくてもいいかという言い訳作りばっかりをやっていて、真面目に対応してなかったんではないかという思いがございます。

で、B.5.bなんかに至ってはですね、安全委員会は全く実は知らなかった。今回初めて知って、あの、ああ、これをもっとちゃんと読み込んでおくべきだった、あれがたまたまあの、9.11、あの、核セキュリティの方の話としてあったもんですから、安全委員会の所掌ではなくて、原子力委員会の所掌で、あの、全く安全委員会はツ**桟敷に置かれたということです。

で、あの、これからのことなんですけれども、もう、あの、これだけの世界に対して迷惑をかけた国としてはですね、もう最高の安全基準を定めるのは、これはもう当然の責務でして、むしろ、まずはあの、世界的な安全基準に、えー、追いつかなきゃいけないんですけれども、それを追い越して、それ以上のものを定めていく、これはもう国際的な責務だというふうに思っております。

大島 ありがとうございました。あの、ま、少なくとも、今まで、従来においては、そういった国際的な動きに対して、えー、やや内向きであったと、そのような説明も先ほどおっしゃいましたけれども、ま、事実としてそういうことがあるんじゃないかと、まあこういうことであるわけですけれども、特に安全基準につきましては、IAEAにおいて、基本安全原則と言うきちっとした、あの、国際的なルールができておるわけですね。まあ、その作成の課程においては、たまたま日本人の次長の方がリードされて、ま、こういうものができたわけですけども、こういったその安全基準を作る課程において、各国の原子力安全当局の専門家が、まあ、参加していた中で、日本からは、あー、その、そういう専門家の参加がなかったと、まあいうようなこともあったように聞いております。

と同時に、えー、もっと肝心なことは、その、基本安全原則なるものが、あの、欧州連合諸国、EU諸国ですね、においては、2009年でしたか、あの、採択をされていると、それからアメリカにおいても、翌2010年には採択をされていると。発展途上地域や旧ソ連諸国は、これはまあ義務的に参加しているといったような状況がある中で、えー、主要な原子力国である我々この日本だけがですね、えー、入ってないと、いわば蚊帳の外にあるというまあ指摘を専門家の方もなされておるわけですけれども、ま、こういった事態色々考えますとですね、えー、委員長がおっしゃってるような体質というものが、残念ながら非常にあるんじゃないかと。これは今おっしゃったように、これからの、その、対応としてはですね、是非変えていく必要があるんじゃないかと、まあおそらく多くの専門家の方はそういうふうに感じておられると思いますが、個人としてもそういうふうに感じるわけでございます。

斑目 はい、あの、まさにあの、先生のおっしゃる通りでございまして、あの、えー、そのためのど、最大限の努力をしなければいけないというふうに思っております。で、あの、えー、やはりですね、その、えー、我が国のその、たとえば安全審査指針なんかにとって、ひとつとってみてもですね、その、えー、変えるのにあまりにも時間がかかりすぎているというところがございます。それで、あの、えー、大きくあの、えー、いくつかありましたけど、まずたとえばあの、その、そもそもシビアアクシデントを考えていなかったというのはもう、これ大変な間違いだったというふうに思ってまして、そこについてはもう急遽あの変わってきていると思ってます。

それ以外のですね、あの、実は、あの、色んな事象の想定の時にですね、あの、えー、ちょっと専門用語になって申し訳ないんですけど、決定論的な考え方だけではなくてですね、あの、確率論的な考え方とか、色々なものをちゃんと組み合わせてですね、適切に考えなさいよというふうに、あの、国際的な安全基準はなってますが、そのへんについてもですね、まだ、全く追いついてない。あの、ある意味ではですね、えー、30年前の技術かなんかで安全審査が行われてるという実情があります。で、こういうあたりはですね、もう早急に直して、あの、えー、行かなきゃいけないというふうに、あの、考えているところでございます。

大島 あの、最後ですけれども、今おっしゃったような認識をですね、えー、今政府の中で、えー、日本の安全規制改革が進められておるわけですけれども、安全委員長として、えー、今おっしゃったような認識を、その新しい組織に反映していく上で、どういうその条件、あるいは指導されておられるのか、あるいはこれからされようとしてるのかですね、そのへんについてのお考えをちょっとお聞きしたいんです。

斑目 まず第一にですね、あの、新しい組織についてはですね、原子力安全委員会自体のですね、あの、まさにあの、えー、検証の、あの、俎上に乗ってるわけですので、あの、えー、積極的な発言をするべきではないというふうにまず考えてございます。で、あの、あえて今日はあの、むしろ、えー、自由に発言をしていいという場を与えられていた、与えていただいたと言う風に考えてますので、個人的な意見を述べさせていただきますとですね、この問題というのは、最後は人だなあということをつくづくと思い知らされたということです。

つまりですね、あの、えー、たとえば、実は今日午前中も衆議院の予算委員会に呼ばれてましたけれども、その場で、あの、3条委員会がいいのか、規制庁という組織がいいのかというような議論もありましたけれども、あの、それ以上にですね、やっぱりその、人なんですね。で、あの、えー、安全性を高めるためには、最大限の努力、えー、どんなに事業者が抵抗しようと、何しようと、最大限の努力をするんだという思いがいかに強いか、それだけで決まってしまいます。そうでないとですね、また、何か一生懸命言い訳だけ考えて、あの、えー、現状のままでも、まあ、何とかなるからというところにまた留まりかねない。

で、これは、もう組織の形態がどうあるかというよりは、そこを引っ張る人の意欲と知識と、うー、に、で、決まるんではないかというふうに、あの、私自身思ってるところでございます。

大島 ありがとうございました。

委員 よろしいですか。

黒川委員長 はい、どうぞ。

委員 今までその組織を引っ張ってこられたのは、委員長ご自身なわけですよね。

斑目 はい、さようでございます。

委員 てことは、なんか先ほどからですね、その、官僚の動き方が悪いとか、事業者が悪いとおっしゃっておられるんですけれども、その、人として最もおかしい動き方をされてたのは委員長ご自身なんじゃないですか。

斑目 あ、それはあの、ある程度のところは認めざるを得ませんが、私も実は原子力安全委員会に来たのは、あの、2年弱前、平成22年の4月の21日だったかな、か何かです。それからですね、発災までの11ヶ月弱で、発災になってるわけですが、えーと、それに至るまでの間にですね、色々と中で議論をして、たとえばシビアアクシデントの規制要件化は、こもうこれは絶対にやろうと、安全指針類についても色々見直そうということをやろうとしていた、まあちょっと言いわ、今言っても言い訳になってしまうので、あんまり言いたくないんですが、やろうとはしていたということだけはちょっとあの、あの、あえて言わさせていただきたいと思います。

黒川委員長 先生のところのスタッフについて、先生はどのぐらい満足して、何が必要だと思われますか。

斑目 原子力安全…

黒川委員長 何人ぐらいいるんですかね。委員だけじゃなくて、スタッフとか。

斑目 あ、えーと、原子力安全委員会と言う組織はですね、100人って言ってますけども、実際にはあの、えーと、70名ぐらいがいわゆる常勤のスタッフです。で、それ以外に30人ぐらい非常勤の技術参与という方を抱えてございます。で、あの、技術参与の方というのは、たとえばあの、昔の原研のOBだったりですね、そういう専門家の方ですが、残念ながら非常勤です。で、それ以外に、あの、指針を作るために、たとえば石橋先生なんかにも、あの、ご協力いただいたりなんかしてますけれども、外部の専門家というのをですね、合計300人ぐらい抱えてる。ただし、この方たちはあくまでも、その、本来大学の先生であったり、病院の先生だったりっていう、そういうような方が、あの、そういう時だけお手伝いいただく。で、あの、えー、こういう非常時にもですね、緊急助言組織を立ち上げるわけですけども、そういうとこに集まってくださる方も、本職は別に持ってる方が集まってくださるという、そういう体制になってるということでございます。

黒川委員長 いや、だから普段からの常勤の人たちの質はどうだと思ってますかと言うことです。

斑目 あ、質ですね。あの、えーと、あの、少なくとも私が着任して、えー、色々とそういう人たちと話し合った結果、あの、えー、ずいぶん意識改革はしていただいて、あの、えー、えーと、私の手足となって働いてくださるようになりかけたかなというところで事故が起こったというのが実情でございます。

黒川委員長 それでないと、いくら変えてもその人たちがその人たちがずっといるだけでは意味がないですからね。

斑目 まああの、まあ、そこをなんとか、あの、制度をうまく作りこんでいただきたいと思ってます。

黒川委員長 それでは、ありがとうございます。今度、石橋先生。

石橋 委員の石橋です。あの、今、あの、話と関連することですけれども、ちょっとまあ次元が下がるかもしれませんが、あの、冒頭委員長が、ええと、指針類を今見直している最中ですとおっしゃった。そのことに関して具体的に伺いたいと思います。あの、原子力安全委員会ではですね、あの、現在、安全設計、安全設計審査指針と、それから耐震設計審査指針、これの見直しをなさっているんだと思いますけれども、あの、現在の進捗状況とそれから今後の見通しっていうのを、この二つの指針について、その、改定にむけてのですね、あの、簡単に簡潔に、あの、ご説明いただきたいんですが。

斑目 はい、あの、原子力安全委員会自体がですね、三月末であの、なくなりますので、三月末までに中間取りまとめを行っていただこうと思ってます。それで、安全設計審査指針の方に関しましては、あの、えーと、残念ながら全面的な改定というわけにいきませんので、あの、えー、えー、全交流電源喪失対策と、それからあの、最終ヒートシンク対策あたりについて、これはあの、むしろあの、深層方法で行くと第三層よりも第四層まで踏み込んだような話になるんですが、までの、その、えー、えー、かた、えー、まで含んだ形の、その取りまとめを行って、あとはあの、えー、新組織に引き継ごうというふうに思っております。

それからあの、えー、耐震設計審査指針の方でございますけれども、こちらについては確かに津波に関するあの記述が非常に少なかったので、津波に関する記述を付け加えた上で、さらにそれに対する手引きなども、あの、作って、えーと、これもですね、えー、あの、安全委員会自身がなくなってしまいますので、指針として、えー、作成するということではなくて、あくまでも中間取りまとめという形で規制行政庁に送ろうと考えてます。

というのは、これはあの、指針の改定ということになってしまうと、実はあの、パブリックコメントを受け付けなければいけなかったりですね、日程的に間に合わないということから、中間取りまとめで、えー、受け継げば、これは新組織の方でしかるべき、えー、引継ぎをしていただけるものだというふうに考えているということでございます。

石橋 ということはですね、まだしばらくの間、あの、この二つの指針に関しても、あの、現行のですね、その、不備を抱えたままのものがまだ使われるということですよね。

斑目 あの、現実問題として、あの、昨年、あの、発災後ですね、原子力安全保安院の方で緊急安全対策を打てということを、あの、指示を出してございます。で、このための、たとえばあの、省令の改正等も行っていらっしゃるはずです。で、従って、実態としてはそちらに基づいた形で行われているというふうに、あの、認識してございます。

で、ただ、あの、耐震の話については、たとえばですね、安全委員会なんかも、あの、今回の、えー、地殻変動が相当起こってまして、(応力、モーメント)?がだいぶ変わってますので、そういうのを含めて色々と再調査等をしてくださいというお願いを保安院の方に出しているところで、そういうのの答えを待っているという状態でございます。

石橋 まあ、ただ、あの、3月30日のその保安院の緊急安全対策の指示、でも、こういうのはやっぱり応急的なもので、要するにプラントのその基礎体力をきっちり、あの、安全を担保するという、そういう観点ではまだ今、あの、移行途中だということですよね。

斑目 あの、もちろんそういう意味ではあの、えー、その通りでございます。

石橋 で、次にですね、あの、安全審査指針類の根底にある、あの、原子炉立地審査指針のことをちょっと伺いたいんですけれども、これはあの、原則として、その、大きな事故の誘因となるような事象が、まあ過去はもちろん、将来もない、そういう場所に原則立地しなきゃいけないっていうことを謳ってますし、それから、あの、重大事故の発生を仮定しても、あるいは仮想事故の発生を、まあ、仮想しても、ま、ちょっと表現が違いますけど、両方とも要するに周辺の公衆に著しい放射線障害あるいは放射線災害を与えないことっていうことを目標にしてますよね。

で、これ、この指針に関しての福島原発事故を目の当たりになさってですね、どういうふうに今評価なさってますか。

斑目 あの、正直申し上げてですね、あの、全面的な見直しが必要だと思っております。あの、私の聞いてる限りではですね、あの、これまで、あの、原子力基本法がそもそも改定になるというふうに聞いてます。で、えー、これまでの考え方というのはですね、どちらかというと、人への被害ということだったんですが、今度基本法が改正されて、人と環境ですね、に、えー、えー、の、被害を、あの、えー、防ぐということになるというふうに伺っております。で、今までのですね、たとえばあの、立地指針に書いてあることだと、仮想事故とか言いながらもですね、実は、非常に甘甘な評価をしてですね、あまり出ないような、あの、強引な計算をやっているところがございます。

ですから、今度の、えー、原子力基本法が改正になれば、その考え方に則って、えー、全面的な見直しがなされてしかるべきものだというのが、これは私の個人的な考えでございます。

石橋 じゃ、ま、個人、あの、先生個人としては、もうできるだけ早急に根本的な改定をすべきだとお考えなわけですね。

斑目 はい。その通りでございます。

石橋 ま、ですけれども、現在はですね、その宙ぶらりんの状態なわけで、あの、3.11以降ですね、その要するに指針、指針類全体の、こう、不備が明らかになって、誰の目にも明らかになって以降、あの、稼動している、あるいはまあ、一時的に止まっているけども再稼動しようとしている、そういう既設の原発はですね、その安全性に関しては、適正な安全審査指針類で保証された安全性というものが無いままにですね、動いてる格好になってるわけで、で、国民の中にはですね、これはもう、まるでその適正な車検を受けてない大型ダンプカーが市街地を突っ走ってるようなもんじゃないか、怖くてしょうがないなんていう、そういう、あの、声もあるわけですけれども、このあたりはいかがお考えですか、この現状について。

斑目 まさにおっしゃる通りで、あの、えー、現在のところできているのはたとえば原子力安全保安院の方から出された緊急安全対策に関しての手当が為されてるとか、あるいはあの、指針類の見直しも、大変残念ながら、あの、全交流電源喪失だとか津波だとかに対する、えー、配慮が足りなかったところ、そういうところを直すという、そういう暫定措置に留まってるのは事実です。

従って、石橋先生がおっしゃるように、これはあの、全面的な見直しを早急に、えー、進めて、残念ながらちょっともう原子力安全委員会はもう、あと一月ちょっとでなくなってしまいますので、あの、えー、新規制庁の方で、しっかりとしたものに則って、えー、今度バックフィットも法律化されるというふうに伺ってますので、えー、審査をもう一度し直される、て、しかるべきだというふうに思っております。

石橋 はい、分かりました。ですが、一方で斑目委員長はですね、あの、7月6日に、あの、原子力安全保安院に、まああの、経産大臣に宛てた文書ですけども、実質的に原子力安全保安院に、例のその、既設の原発の安全性に関する総合的評価というものを実施を求める、求められた。まあこれがあの、現在行われてるストレステストの出発点になっているわけですけども、で、このストレステストと、今おっしゃったその安全審査指針類が今のところ不備であって、ということとは、どういう関係にあるんでしょうか。

斑目 あの、それぞれ、えーと、両方とも必要だと思ってまして、要するに、あの、えー、国が最低限の基準というのは当然決めなきゃいけない。で、これに瑕疵があったことも確かだから、それはきちんと直さなきゃいけない。それと同時に、えー、まあ、あの、えー、色々な緊急安全対策を打った結果としての、その、えー、実力がどうなってるかというのを、事業者自らがしっかりと調べるという、これも当然やらなきゃいけないので、まさにその車の両輪だろうというふうに考えてるわけです。

石橋 ただ、あの、先ほどもちょっとおっしゃいましたし、今もおっしゃいましたけど、国は、その、安全基準についての最低のレベルを決めて、で、あの、プラントの安全性を本当にその、保証するのは、あの、事業者だと、事業者が努力すべきだっていうことをおっしゃいましたけど、一方で、あの、世界の水準はですね、その規制の基準は、非常に高くなってる。それに対して日本は非常に遅れてる。それをもう十分に高めて追いついて追い越さなきゃいけないともおっしゃってるんですけども、ちょっとその両方が矛盾するような気がするんですが。

斑目 あの、これですね、両方を進めなきゃいけないんです。つまりですね、あの、えーと、ちょっと日本と違って、アメリカなんかの状況を言いますとですね、アメリカなんかでは、あの、事業者が自主的にどんどん、どんどん、その安全性を高める努力をすると、えーと、まあ、その結果、あの、全体的に、えー、国が、あの、えー、縛る範囲というのを高めてもよくなる。そうすると、さらに努力をする。

要するに good practice があれば、good practice を褒め称えると同時に、なぜ他のプラントではそれができないの、ということを問いかける形で、どんどん、どんどん、その全体を高めていく。ですから、あの、国の基準も高めていく。それを、それの、に先行して事業者自身が自らのプラントの安全性を高めていく。これを常にこう、やり続けなきゃいけない。継続的改善ってのはそういう形で進むべきもので、あの、えー、いきなりですね、とんでもない基準をぼんと示せばいいというものではない、というふうに我々は考えてございます。

石橋 それは、「我々」って今おっしゃいましたけども、班目委員長個人のお考えではなくて、今の原子力安全委員会としての方向性、考え方なんですか。

斑目 あの、原子力安全委員会はまあ、あの、5人の合議制ですので、5人の合意を取ったというものではございませんけれども、あの、原子力安全委員会の中では、あの、結局はこの継続的改善への道を開くことが、一番大切なことだな、ということでは、大体意見が一致してるというふうに思っております。

石橋 はい。ですがあの、アメリカでは、たとえばあの、アメリカのNRCはですね、去年の7月に、あの、福島原発事故を踏まえた21世紀の、その、reactor safety に関して、レコメンデーションというのを、非常に高めるためのレコメンデーションを出してますよね。ですから、そういうものに比べるとやはり日本の、あの、国の基準は、指針は、まあ、非常に低くて、それはそれで一方で高めて行って、両方で、あの、競争していくべきだということですね。

斑目 はい、その通りでございます。

石橋 で、ちょっとストレステストに戻りますと、ストレステストを始めたヨーロッパではですね、これはあの、その施設の弱点を見つけて、(プリフェイジ)?とか何かそういう弱点を見つけて、それでそれを改善していくための手法として、が、主眼になってると思うんですけれども、あの、で、そういうことは、それはそれで日本でも、あの、やったらいいことだとは思いますけれども、この一応現状では、国の安全審査指針類が非常にレベルが低い段階でですね、このストレステストに合格したら、もうそれは再稼動していいっていうことになるんですか。そのへんの関係はどうなんですか。

斑目 あの、ですから、えーと、ストレステストというのは安全審査基準に則って行われるものではなくて、

石橋 そうですよね。

斑目 あの、えー、もっと上を目指してやるもんなんで、それを、あの、見させていただきたい。あの、安全審査指針に則ってるから文句ありませんねというふうに事業者が言ってきたら、文句ありますと答えようと思ってます。

関連の書き起こし