【党首討論】菅直人VS谷垣禎一初対決

菅総理就任後初となる自民党谷垣総裁との党首討論の書き起こし(文字起こし)です。
一度見たけれど内容がよく掴めなかったという方にもおすすめです。

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平成23年2月9日 【党首討論】谷垣禎一vs菅直人

 

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2011年2月9日 16時から

党首討論
(国家基本政策委員会 合同審査会)

参議院第1委員会室

合同審査会長 樽床伸二氏

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国会中継を元に書き起こししています。

聞き間違い、わからなかったところ等ありますがご容赦ください。

<谷垣総裁>
菅総理ご就任以来、初めての党首討論ですね。この間、内政・外交、この場で議論すべき問題が、たくさんたまっているわけですね。総理も、もっと頻繁に開きたい、こういうご意向を持っておられるように側聞しております。私もそれは大賛成でございますので、今後、頻繁に、この場で総理と議論をさせていただきたい、このように思っております。そして、今日は、まず第1回、いろんな案件ございますけれども、まず、社会保障と税の一体改革、というところから、議論をさせていただきたいと思っております。それで、予算委員会の議論を聞いておりますと、この問題の取り組み、総理の持っておられるスケジュール感ですね、4月には社会保障の改革案をまとめると。それから、6月には税制抜本改革を含んだ成案をまとめるんだ、と。そして9月にはマニフェストの、9月前後ですか、マニフェストの見直しもすると。そして、消費税率等上げる前には、解散して国民の信を問う、と。こういうことのように承っておりますが、それでよろしいですか。

<菅総理>
谷垣総裁から、最初の初めての、党首討論ということで、私も野党としては、党首討論に出たことはありますが、総理としての出席は初めてであります。ぜひ、この党首討論は、一方的な質問だけではなくて、お互いにこの討論するわけで、まさに熟議の国会にふさわしく、その討論を通して、いろいろな議論が深まっていくような、そういう討論にしていきたいと私自身も思っておりますし、ぜひ谷垣総裁に置かれてもですね、回数も、私はもっと開いてもいいと思っておりますので、ぜひとも、そういう建設的な討議になるよう、お互いに努力をさせていただきたいと思っております。その上で、まず私のほうから申し上げますと、先月の25日に施政方針演説を行いました。私の国作りの理念として、平成の開国、そして最小不幸社会の実現、そして不条理な政治を正す、とこういうことについて申し上げました。今日は、谷垣総裁からのご質問にはもちろん、お答えしますと同時に、私からもですね、こういった国作りの理念についての、谷垣総裁としてのご意見も、ぜひ聞かせていただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。そこで、今、社会保障と税の一体改革についてのスケジュール感について、質問をいただきました。私はまずですね、この社会保障と税の一体改革ということ、そのものの、大きなスケジュール感を持たなければならないと思っております。それは、今日の高齢化の進展によって、毎年1兆円のそうした社会保障の費用が、自然増というかたちで増えている、さらには、子育てや若者層の雇用という問題も、これまで必ずしも十分に保障されてこなかった、そして、孤立化といった、人々が居場所と出番を持てない、そういう社会にもなっております。そういった意味で、私は今こそ、この社会保障と税の一体改革は、どの内閣であっても誰が総理大臣であっても、避けては通れない、そういう課題だということを、まずスケジュール感として申し上げておかなければならないと思います。その上で、今、谷垣総裁からお話がありました点について言えば、ほぼ、おっしゃるとおりでありまして、4月に向けて社会保障のあるべき姿を、今検討いたしておりますので、それを提示をし、そして6月には、社会保障と税の一体改革の、その案を、提示をさせていただきたい、そしてマニフェストの問題は、これは党を中心に今、検討をしていただいておりますが、4年間の衆議院の任期の中の折り返し地点がだいたい、参りますので、その頃までにはマニフェストについて、すでにやれたもの、今実行しているもの、中にはなかなか実行がいろんな理由で難しいもの、それらを分析をした上で、どうしても難しいものについては、国民の皆さんにしっかりと説明しご理解をいただきたいと、こういうふうに考えているところであります。

<谷垣総裁>
あの総理、もう少し端的に答えていただきたいと思いますね。それで、スケジュール感はおっしゃいました。大きなスケジュール感は私も共有しております。それから、4月に案を作り、社会保障ですね、6月に(?)、そして見直しをする。こういうスケジュール感を今お話がありました。私ね、順序が逆なんじゃないかと思うんです。なぜかといいますと、これは後ほどもうすこし詳しく申し上げますが、マニフェストが破綻している。このことがね、いろんなことの背後にある問題です。ですからこの処理を後回しにしようというのはね、私は順序が違うんだとおもいますよ。で、まずこのことを申し上げて、それからあの、この社会保障と税の一体改革の議論の中で、この間あの、我が党の野田毅議員が予算委員会の中で総理に質問して、4月に社会保障をまとめられなかったときは責任を取るのかと聞いてですね、菅さんがうなずかれた、というところがありました。野田さんのおっしゃるのは、それできなかったら、責任を取って辞めると言ってるのか、という問いかけですが、それはいかがでしょうか。

<菅総理>
私はですね、谷垣総裁の言われることでありますけれども、順序が逆というのは、私には全く理解できません。つまりですね、これは是非、最初に私が申し上げたスケジュール感を申し上げました。今、私と谷垣総裁は、ほぼ同い年に近いところでありまして、この団塊世代の前後にとって社会保障の将来は、不安感を持って見ておられます。同時に私たちのちょうど子供の世代の若い皆さんは、果たして自分たちの時に、今のような社会保障の給付が受けられるのかという、不信感を多く持っておられます。そういった意味で、今ですね、私たちがやらなければならない、我々世代がやらなければならないのは、この問題を、ある意味では一刻も早くですね、しっかりとした案を作って、そして実行に移すことじゃないでしょうか。そういった意味で、逆に私お尋ねしたいんですけれども、4月に社会保障のあるべき姿を提示いたします。6月に、それと税一体の改革案を皆さんにお示しします。そのときには、そのときには、谷垣総裁も、これまで、案が出ないまま協議をしたいといってもそれはできません、と言われてましたから、案を出したときには、ちゃんと与野党協議に乗っていただけるんでしょう、ね、ということをぜひ、お尋ねをさせていただきます。

<谷垣総裁>
総理ね、私最初に、総理のおっしゃった大きなスケジュール感は共有していると申し上げたでしょ。繰り返さないでいただきたいと思うんですよ。それで、そのまあ、今責任についてはお答えにならなかったですが、私がなぜこれを聞いたかということを申し上げましょう。それは、この税の問題、昨年参議院選挙の時に菅総理、提起されましたね。でそのときに、10%という自民党の案も一つの参考だ、とおっしゃった。ところが秋になったらころっと引っ込められてしまった。でまた持ち出された。我々はね、総理大臣が本気でこれをおやりになる気があるのかどうか、今度は本気でおやりになるんですかということを問いたいから、責任ということを伺ったわけです。それをお答えにならなかったのは非常に残念ですよ。それで、もう少しその、今、スケジュール、つまり、具体的にこの問題をどう進めていくかという菅さんのスケジュールを伺ってるわけですが、そのスケジュールを私聞きながら我々の考え方も申し上げたいと思います。そこで、もう一つ確認します。あの、責任のことは逃げられた。もう一つ確認します。6月に、6月にですよ、税の改革を含む成案を得るとおっしゃったわけですね、作るとおっしゃったわけですね。そうしますとね、4月の社会保障の案は、そういう積算の根拠になるような、相当詰まったものでなければならないはずです。それは当然そういうことをお考えになってるのでしょうね。

<菅総理>
先程ですね、私が参議院選挙で、確かに、消費税のことについて、自民党の定義された10%ということを参考にしたいということを申し上げた、それはその通りであります。しかし秋になってそのことをですね、ころっと引っ込めたというのは、間違っております。つまり、簡単に申し上げますが、いいですか、簡単に申し上げますが、皆さんお静かにお聞きください、私が申し上げたのは、消費税についてそれを参考にして与野党で協議をしようということを申し上げたつもりでしたが、私の言い方がやや唐突であったために、すぐにでも消費税を引き上げるというふうに誤解を招いたことを、これは私の責任も含めて、そのことを感じましたので、参議院選挙で厳しい結果をいただいた中で、もう一度、党として、党として、この問題についてしっかりと協議をしてもらいたい、こういう風に申し上げて、そして、この間のいろいろな党内の議論も踏み固めたうえで、改めて、今回、この社会保障のですね、考え方を、昨年の暮れには一つの5原則の社会保障の考え方をまとめ、そしてこの4月にそうしたものを踏まえて、多くの党や団体の意見もきちっとお聞きした上で、あるべき姿を提示しようと、このことを申し上げ、あわせて6月には、税との一体改革案をお示しします。ですからぜひ、谷垣総裁にもお答えください。私にだけ答えろというのではなくて、谷垣総裁にも、お答えください。そういう案をきちっと私たちが出したときには、きちっと与野党協議に乗っていただける、のですかというご質問にきちっとお答えください。

<谷垣総裁>
だからもう少し具体的にスケジュールを聞いてお答えすると言ってるでしょう。でそれよりか、菅さんね、問題はですよ、今強弁をされましたけど、国民はそう思ってないと思いますよ。やっぱり、あの参議院選挙の時に相当迷走されて、そのあと引っ込めてしまわれたと思ってるんです。こういうことはやはりですね、やっぱりトップリーダーがどれだけやる気かってことに関わってきますからそこはね、みんな見てるんですよ。だから私は、その、職を賭してまでやるおつもりか、あるいはきちっとしたものをお出しになるのか、ということを聞いたわけですが、その責任については直接お答えにならないし、また4月にどういうものを出すのかということもお答えにならなかった。だから非常に曖昧だと思うんですよ。4月に社会保障の案はきちっとですよ、税の積算根拠になるようなものをお出しになるんですね、いや、それそこだけ答えてください。

<菅総理>
今ですね、私がわかりやすく国民の皆様にお伝えしたと思うんです。4月までに社会保障のあるべき姿について、しっかりと議論をしてその姿をお示しします。で税については、その社会保障のあるべき姿について、そのことを実行していくためには、どれだけの財源が必要で、そしてそれにはどのようなかたちを取ることが可能か、そういうことについてあわせた案もお示しをいたしますから、お示しを、6月にお示しをいたしますから、それが出たときには、協議に乗られるのかどうかについても、ぜひお答えをいただきたいと思います。

<谷垣総裁>
私がお聞きしたのは、4月に出す社会保障の改革案が、要するに、その、税の積算の根拠等となりうるような具体的なものをお出しになるのかどうかということを聞いたわけです。あの、6月におまとめになるというのは先ほど承りました。もう一回4月に何をなさるのかお答えいただきたいと思います。

<菅総理>
何どもですね、同じことをお尋ねになり同じことを答えるしか、ありません。社会保障のあるべき姿ということを、はですね、かなり多岐にわたっております。もちろん、医療や介護や年金や、あるいは広い意味ではですね、これは議論もありましたけれども、子供手当てそのものは、これは、無駄の削減による財源で行うというのがマニフェストでありますけれども、子育てという問題については、この広い意味の福祉にも入っております。また、例えば、雇用の問題も入っておりますし、孤立した人びとをいかに、居場所と出番を、そういうものを確保するかというそういうことも、社会保障に入っております。そういうあるべき姿について、4月にきちっと提案をさせていただきます。しかしそれについての、財源的な措置をどうするかということについては、さらに議論を深めて6月に提示するというのは、これまでも何度も申し上げてきた、施政方針でも申し上げてきたことであって、そのことを同じ答弁を繰り返すのは、当然じゃないでしょうか。

<谷垣総裁>
あのー、菅さんね、もう少し端的に答えていただきたいんですよ。それで、それで、今うかがったことからじゃあまあなかなかわかりにくかったけれども、要は、6月にきちっと数字もまとめる、したがって4月に出す社会保障の改革案は、そういったもののたたき台に十分なりうるものを4月にまとめられる、このような理解でよろしいですね。でそうしますとね、一応そう理解しまして次に行きますとね、あの、平成21年度の税制改正法の付則104条というのがございますね。これは、あの、菅総理もこの付則は尊重しなければならないと、こういうふうに今までもおっしゃってこられた。そこで、この104条に従いますと、平成23年度中に消費税を含む税制抜本改革案を国会に出さなければならない、ということをこれは義務づけているわけですね。それでそうしますと、常識的に考えればこの通常国会中にはお出しにならないんじゃないかと思いますが、秋の臨時国会か、あるいは来年の通常国会に、この法案をお出しにならなければならないということになりますね。そして、今やっておられる年金改革の法案では、24年度にやるんだと、これはつまり法案を出すということではなくて、そこまでにその財源を、が実施しなきゃならないということをつまり年金改革の中では言ってるんだろうと思います。でそうすっと平成24年度、平成24年度以降に、やると、実施するということになるわけですが、菅総理は同時にですね、衆院任期後に引き上げるというご答弁も、あるんですね。そうすると、そうすると、そこはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。あの、いつから、つまり平成24年度中にやるのかあるいは25年度になることも、25年になることもあるのか。そこ、ちょっとお答えください。

<菅総理>
この104条という法案は、もちろんご存じの通り、自公政権時代に法案として成立をしているわけでありまして、法律として成立している以上、私たちの内閣も基本的には、この法律が変わらない限りはですね、これにそって進めていきたいと、このように考えております。そういう意味では、23年度末までに何らかの、この問題についてのですね、法的な対応をしなければならないと思っております。その上で今、いろいろな日程のことで、実施時期と、あるいはもしかしたら選挙のことをおたずねなのかもしれませんけど、私なり我が党が申し上げてるのは、例えば消費税を含む大きな税制改正を行う、それを実施する場合には、少なくともそれを実施する前には、国民の皆さんに判断を仰ぐと、そのことを申し上げて来たわけでありまして、23年度末にですね案を出して、それが成立したとしても、例えば、共通番号、税と社会保障の共通番号の整備等々、いろいろなことも予想されますので、実施する段階に至った場合にはそれよりも前に、必ず国民の皆さんに判断を仰ぐと、このように考えているということは、これまでも明確に申し上げてあります。

<谷垣総裁>
いや、あんまり明確に答えておられなかったんですよ、そこんところは要するに、衆院任期後に引き上げるということもおっしゃったりかなり曖昧だったんですね、ぼかしておられたんじゃないかと私は正直言って、あの、思います。しかしこのいずれにせよですね、23年度までに法制上の措置を講ずる、これはされるわけですよね。そうしますとね、このマニフェストを菅さんたちがお作りになって戦われたマニフェストの基本構造は、これは消費税をやるという前提にはなってないと思います。むしろ、いろいろな無駄を排除することによってできるんであって、消費税はやらないという前提に立っていた、はずです。そうしますとね、いずれにせよ任期中に23年度中におやりになるということはですね、そのままやれば、これはマニフェスト違反ですよ。それでマニフェスト違反をですね、私ね、野党も一緒に協議になって片棒を担げと、あの、菅さんのおっしゃってることはそういうことなんですね。それで私はね、そういうそのなんていうんですか、八百長相撲一緒に角番にとったから立ってくれみたいな話はね、これは私は乗れません。それで、それで、それでですよ、国民との約束違反を手伝えというのは私は筋違いだと思います。それで、まずは、まずは消費税率を引き上げるという新しいマニフェストをお作りになって、そうして国民の声をお聞きになることが、必要じゃないかと思いますよ。それで、私どもも、私どもも、すでに菅さんご承知のようにですよ、昨年の参議院選挙では、当面10%消費税は必要だという案を掲げて、そして選挙をいたしました。衆議院選挙のマニフェストはこれから作りますが、当然それをふまえたものになります。ですから、菅さんたちもその、まじめにおやりになればたぶん方向性はそんな違わないものになるだろうと、私たちは思っています。だから、選挙そうやって、きちっと新しいマニフェストをお作りになって、そして国民の声をお聞きになったあと、これはその、菅さんと私の間でですね、すべてが一致するわけじゃないと思いますが、しかし基本的にこの問題は、一致したということになったら、選挙の後勝った方がそれをやって、負けた方も負けたから腹いせだなんていうことは、もうやめにする、お互いにきちっと、国民の信を得たから、それをやっていこうということができるじゃありませんか。私はね、それが一番の、この問題を解決する近道だと、やっぱりあの、今どうもですね、約束したことが全然守られてないという政治不信があるんですよ。でそのときに、税が必要だと言ってお願いをするというのはね、私はやっぱり政治の筋道として、違うと思いますよ。やっぱり手順を踏んで、国民になるほどと、これは、与野党が両方でがんばらなきゃならない課題じゃないですか。それからさらにこのことを申し上げます。私はね、この、今審議している平成23年度予算、これは財源*1集めるのに相当苦労されたでしょう。でまあ一応案を作って、今審議している最中ですね。しかしね、来年はなかなか私、組めないんじゃないかと思いますよ。もう、あの埋蔵金云々なんてなかなk、だからこそ菅さんはね、税制改革を提起されたということでもあるんだと思うんですよ。野党としても、この問題は、どうしたら乗り越えていけるのか、平成24年度予算どうして組めるのか真剣に考えなきゃいけません。でそのための一番近道がこれなんですね。もう一回きちっと、お互いに正直言って信を問う、そしてそのあとお互いの同じ方向やってるんだったら一緒に協力できることは協力してやっていく。協議協議とおっしゃるが、そのときにそういうかたちでやっぱりしっかりと協議ができる道も、開けるんですよ。私はそれが近道だと思います。それから、もう一つですね、もう一つ、まああんまり私ばっかり言ってもいけませんが、もう一つ申し上げますと、ちなみに先ほど我々消費税10%すでに掲げたと、申しました。それで、それはこれからもそれをふまえてやっていきますが、今、社会保障と税の問題、いろいろ菅さん取り組んでおられますね。我々もすでにやってきて、もう成案があるんですよ。で、結局、メンバーもほぼ、その審議してるメンバーもほぼ同じですから、似たようなものができると思いますよ、私はね。それから、それに加えて、ええ、財政再建健全化法という法案なんかも出しました。だから我々の考え方は、すでに明確にしておりますので、どうぞ我々のレベルまで早く追いついていただきたい。このように思います。

<菅総理>
いろいろたくさん言われますので私もですね、一つ一つ申し上げなければなりません。まず今の谷垣総裁の答弁て言いましょうか、お話を聞いていると、お話を聞いていると、結局の所は、いかに私たちが4月6月に案を出しても、それでは議論には乗れないと、解散をしてそれが終わらなければ乗られないという、こういうお答えのように聞こえましたが、私はそれはですね、さきほど申し上げたように、解散をするということは、その後の政局はどうなるかはもちろん誰にも分かりません。つまりは、この長年積み残してきたこの課題をですね、さらに私は先送りすることになると思うから、この段階できちんと案を出しますから、そうしたらある時には、案がないから議論に乗れないとおっしゃってたじゃないですか。案を出したときにも議論に乗れないというのは、私は基本的に言っていることが違ってきていると、こういうことをまず一点申し上げておきます。そのうえで、もう一点、もう一点申し上げます。私は、先の参議院の時に、先ほども申し上げましたように、自由民主党が提起された10%というものを参考にしたいということを申し上げました。そして厳しい参議院の結果をいただいた上で、改めて考えました。やはりこの問題は、単に税だけの議論をですね先行させては、これは国民の理解は得られない、手順が重要だ、順序が重要だ、そのためにはまず、あるべき社会保障の姿をきちんと、国民の皆さんに提示をして、そしてその社会保障の姿を実現する上で、どうした財源が、どういう税制の上で必要になるかということを、それをあわせて提案をして、そしてその中で、ご理解をいただかなければならない、そういうことで4月と6月というこの日程を決めて、皆さんに提案をいたしているわけであります。それなのに、そういう議論もしないまま、まず解散だというのは、私は国民の利益よりも、党の利益を優先されてる提案だとしか思えませんがいかがですか。

<谷垣総裁>
総理ね、総理ね、急がば回れっていう言葉はご存じでしょう。今もね、あなたおっしゃった手順ということをおっしゃった。でその、菅さんの考えておられる手順は、まず、社会保障との一体改革、まずそれをきちっと議論していくんだっていうのが手順だとおっしゃった。しかしそれだけでは足らないんですよ。要するに、私はね、菅総理は、市民運動からたたき上げてきた運動家としては尊敬してますよ。それから、政策に関してはいろいろこれいまそうやって取り組んでおられるでしょう。苦労しておられると思いますよ。だけど大事なのはですね、やっぱり国民との信頼関係だと私は思いますよ。それで、案がないからだめだと言われたけど案を出してもだめだというのかと問いかけがあったけれども、問題は、その案が、国民との信頼関係から見てどうかっていうことですよ。マニフェストの基礎を踏みにじるようなものだったら、片棒担げと、マニフェスト違反の共犯にあんたなってくれと、冗談じゃありません。私のお答えは、そういうことであります。菅さん、急がば回れでありますから、ぜひ、急がば回れでやってください。それでね、じゃあ、まあ、この問題はまたあとえんえんやらなきゃならないかもしれませんが、えっ?あ、答えがありますか?じゃあどうぞどうぞ。

<菅総理>
実はですね、2009年のマニフェストに、いいですか、2009年のマニフェストに加えて、2010年の参議院の時にも、このマニフェストを提案をいたしました。で2010年のマニフェストにおいてはですね、ここにちゃんと書いてあります。つまり、早期にこの、全体は長いですから、早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する、協議を超党派で開始しますということを、書いて、それで皆さんにも提案をいたしたわけであります。そういった意味で、現在のスタンスは、その消費税に関しては、まずは、消費税から始めるのではなくて、社会保障のあるべき姿を皆さんにお示しし、それに必要な財源の中には、当然消費税のことも含まれますので、そういうものも含めて、協議をいたしましょうというのは、すでに参議院の選挙の時の私のマニフェストにきちんと申し上げていることでありまして、そのことは国民に対する、何かごまかしということは全く当たりませんので、それだけは明確に申し上げておきます。

<谷垣総裁>
菅さんね、そんな強弁してもだめですよ。あの、国民はそういうふうに思ってないんです。そして、明らかに衆議院のところのマニフェストはですね、消費税はやらないというのが大前提だった。そういうことですよ。それで、なぜこういう議論が起こってくるかと先ほど申し上げたことですが、結局マニフェストに根本的欠陥がある。これ私3つ申し上げたいと思うんですよ。1つはですね、マニフェストの施策は、やっぱり無駄を排除することによってできる、こういう大きな柱があった。できてないですよね。無駄排除でできたのは、この2年間で2.6兆円ですよ。それじゃあ、全体その2年間で12.6兆やってたって大きな乖離があるじゃないですか、それがとても行き着けませんよ。それから2番目。そうやって無駄を探して、財源を見つけても、結局ばらまきのために使ってしまうから、全然、財政体質の改善につながらない。だから国債の格付けも落ちるんですよ。それからもう一つの最大の問題点。毎年社会保障1兆増えますね、マニフェストひっくり返してみても、どうやってこの1兆円増に対応していくかってのはなーんにも書いてないですよ。
だから、財政がこのままにしておけばですよ、この、菅さんたちのマニフェストは、財政破壊のマニフェストですよ。だからこれから見直せと言ってるんですよね。で、まあもう時間も時間も参りましたから、最後に1つだけおうかがいしたい。小沢さんの証人喚問問題です。私ども野党6党は、これは、衆議院予算委員会の公聴会を設定するまでに、きちっと返事をしてもらいたい。このように申し上げております。そして、この3年来、このこと3年越しに我々、これを要求してきたわけです。もうこれね、いい加減にあの、解決して、こういう問題を乗り越えていきましょうよ。菅さんが、リーダーであるならこの場で、自分がきちっと、解決をつける、ここでおっしゃってください。

<菅総理>
さきほどマニフェストについて、相変わらずですね、あのばらまきという言葉を使われました。しかし、ばらまきではないんです。このマニフェストは、従来の政権でできなかった新たな政策を掲げたんです。そしてその中で、現実に進んでることもいくつもあります。例えば農業政策でもかつてはですね、どちらかというと科学政策でありましたけれども、欧米は昔から所得政策を中心です。そういった意味で、農業の個別所得補償も提示をいたしました。子供手当てについても、議論はありますけれども、議論はありますけれども従来は、子供に対する手当てが相対的に非常に薄かったわけでありますから、それにたいしてきちんと手当てをしようというのは、新しい政策なんです。高校の無償化も、実行いたしました。ですから、それがばらまきというのは、私は当たっていない、つまり政策選択であって、じゃあよりもっといい政策が何かということをお示しされるべきであって、12月27日の皆さんの基本方針には、自分たちとしての予算案をお示しすると書いてありますが、残念ながらその後、お示しいただいたという、私には記憶はありません。その上で、最後のご質問にお答えを申し上げます。私は、谷垣さんがおっしゃった広い意味で、政治とカネの問題あるいは小沢さんをめぐる問題も、なんとか超えていかなければならない大きな課題だと、私自身思ってこの間もやってまいりました。特に、党の代表戦の折には、クリーンでオープンな政治というものを掲げて、そして、多数の支持をいただいて党の運営については、党の運営については、たとえば組織活動費もそうしたかたちの不明瞭な使い方はやめようと、あらためて現在の幹事長と話をいたしました。また、企業と団体献金についても、法案をまとめておりますので、ぜひともこれについても与野党協議の中で、法案成立に向けてご協力をいただきたいとこう思っております。その上で、小沢元代表の件については、私も国会での説明は、私は必要だという認識を持っております。しかし、国会についてどのように扱うかということは、これは国会の中でお決めをいただかなければなりません。その上で申し上げますと、今、小沢元代表に私も、もう一度話をしたいということを申し入れておりまして、近々、こういった問題についてもきちっと、話し合って方向性を定めていきたいと、このように考えていることを、しっかりと、この場で申し上げておきます。

<樽床氏>
これにて、もうお時間が、お時間が来ておりますので・・・・(繰り返し)

<谷垣総裁>
ぜひですね、ぜひ、小沢さんと話してきちっと解決してください。それからマニフェスト問題は、マニフェスト問題は、予算委員会でしっかりやりましょう。

<樽床氏>
これにて谷垣君の発言は終了いたしました。

(了)

special thanks!
本記事は@__pakiraさんの記事をもとに転載させていただきました。
有難うございました!

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