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津田大介×児玉龍彦のUst対談(2)

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(書き起こし、15:13から32:42)

津田「ほかに、じゃああの、これもそうなんですけども。国会でまだまだ時間足りなくて言い足りなかったことがあれば伺っていきたいなあと」

児玉龍彦「はい。あのー、ま、今のところで、一番、やっぱり大きいと思うのは、今こういうマップが出てますよね。あのいろいろと、線量の。それであの、やっぱりだから、データを沢山取るって場合に、どう取るかっていうと。例えば原子力学会なんかはもうすごく古くて、1キロメッシュで取るとか言ってるじゃないですか。今は僕が思うには、あのアメリカ軍なんかが空からばあーっと、スキャンしちゃいますよね。あのほうが全然早い、ですよね。僕もあの現地で測定とか除染とかやってるからものすごく知りたいのは。今例えば300メーターとか500メーターとか、もっと上から撮った航空のあれしかないわけですよ。それでイメージングベースでって繰り返し言ってんのは、あの要するに空から撮るみたいな100メーターぐらいの高さでなめるように撮ってくれたら、どっかの小学校危ないかも知れない、どっかの幼稚園危ないかも知れない、ここの幼稚園はそんなに心配ないとか。だからさっき、まだ同心円でどうこうとか、議論やってるじゃないですか。それをデーターをなんでばあーっと、だから僕らの科学ってデータドリブンていう。データで駆動されるっていうんですか、ドライブされる、データドリブンのサイエンスっていうのが、コンピューターを使って当たり前なわけですよ。サイエンスでは。ところがそういうのが全然入ってないから、昔流に1キロメッシュとか2キロメッシュとか、のん気なことで話がいっちゃって。まず住民が求めているのはグーグルアースみたいなもんでしょ。だから政府が……」

津田「Googleアースでね、拡大していったら、ここが線量高いみたいなのがね、わかるみたいな」

児玉龍彦「だからGoogleレイディオアクティビティーを早く作ってクリックしたら、うちはここですよ、ってのがわかるってのがあたりまえだと思うのに」

津田「まそのためにはその、本当に政府がお金をかけて、本当に細かく細かくモニタリングしたっていうことですよね」

児玉龍彦「いやあれ、空間で空から撮るイメージングだなんて、NHKスペシャルでのフランスのを借りてやってるとかなんとか、言ってるくらい出回ってる機械なわけですよね」

津田「技術としては十分にある……」

児玉龍彦「もう十分にそこはあるんだと思うんですよね。だからそういうものを徹底して使って、まずこう被災地域の、これはどっかあのネットに出てたあの、どちらかのえらい方がこういうマップを作ってくださってて我々も使えてるんですが。やっぱりこういうものをもっとなめるように政府が作って。それも、今でてるやつって高ーいところから出てるだけで、もっと低いところから細かく撮ってそのグーグルアースのあのだから、Googleラディエーションの解像度のいい奴を早くつくっちゃいなさいってのが考えです。」

津田「なんでそれがじゃあ出来ないんですか。それを邪魔しているものは何なんですか?」

児玉龍彦「一番大きいのはですね。うーんと。(※コンピューターを操作)一番…。(※図が出る)あの時にいろいろ提案したかったんですけども。やっぱりなんかあの、ある問題が起こって非常時の時に、こういろんな情報、区分けだと無理ですよね。例えばあの、食品のスクリーニングのことでもわたくし随分申しましたが。農産物を作ってるっていうのは農林省の会議でやるわけです。それだけど、食品の検査って厚生省と保健所でやってる。それで機器の開発は、経産省がやってる。だからあのー、国会の翌日も農林省に行って農林省の審議官のかたと話してたんですけども。やっぱりあの、自分たちがいくら作っても厚生省がうんと言わないと使えない。なんとかって。だからあの今回の非常事態の場合は、やっぱりなんか、ここで、まあ従来の障害防止法より上位の法律が要るんじゃないかと。それで……」

津田「完全に縦割り行政の弊害が今…」

児玉龍彦「だからあん中でも自分の法律違反やってますよって散々言ったのは、もうね、アイソトープ運ぼうとすると、ここにこれだけ法律がある。航空法、船舶法、車両法、なんとか法。だからアイソトープのこれこっちに出てんの全部アイソトープを運ぶのに関わる法律。カメラで拡大できますか?」

津田「この左ページのほう。」

児玉龍彦「反対の方ですね。」

(※画面に映る)

児玉龍彦「そこに出てるけど、まあ細かいことはいいですが。アイソトープこれだけの法律があるわけです。そうすっとですね、なんかねあいまいな新しい法律作っても、きっと今までの法律とどっちが上位かっていう議論が延々と出てくる。それで、それを一番感じたのは5月の全国のアイソトープ総合センター長会議っての行ったときに。わたくしも東大のセンター長だから行って。九州でやったんですよ。福島原発の後だからみんなアイソトープ総合センターだからこれはすごい熱い議論をやろうっていって、行ったわけですよ。それで、文部省のまあ規制室の方も来てたわけですね。それでいろいろ講演されてたんだけど。その福島原発の問題、議論したときに、その、僕らがだからこういうのをやろうやろうということを言ったときに、規制室のかたが非常に困っていたんですよ。それでだから僕も割とおっちょこちょいだから、あの、あの調子で、規制室は国民の健康に責任を持とうってんじゃないんですかって言ったら、いや、私たちは国民の健康に責任をもつわけじゃなくて、あの、なんて言うんですか、んと、今の法律に従って取扱者を規制しなくちゃいけない、て言って、最初は違和感を覚えたんだけど。考えてみたらあの、僕は国会出て法律違反やってますって言ったら、すぐいろんなかたから、わっときて。実際に放射線の取り扱いはどうなってんのかとか、言われるわけですよ。だからこっちみたいにある程度なんていうか、あの、まああの人だったら色々変なことがあってもやりそうだなあ(笑)、打たれ強そうだな、キャラの、普通の技官だとか職員の人は絶対にできないです。」

津田「これもある意味で言うと、役人はそう答えるしかないってことでしょう」

児玉龍彦「だってお役人に法律違反しろって言ってる自分が、これは申し訳ないって思ったんですよ。」

津田「うーん、でもただ、やはり今そういうことを言ってられないほどの非常事態なんだから迅速にいろんなものを変えていかなくちゃいけないのに……」

児玉龍彦「それで、誰が悪いのかと思ったら。」

津田「それはまあ国会っていうふうに行き着きますよね」

児玉龍彦「それでなんか聞い、僕がそのことをちょろっと他のに書いてたら、すぐ知ってる人がいて。阪神淡路の時は3ヶ月で23本、特別立法が出来ましたっていうツイッターを何処かで読みまして。だからやっぱり、法律の方ももっと、自分たちが何が出来るか考えていただきたい。それであのとにかく今、さっき言ってた早くやるためにはですね、今までの法律より上位の法律がないとダメです。だからなんかみんなが集まる委員会をつけて。それからもうひとつは予算っていうのがですね、省庁に落とすんじゃダメです。省庁とか個別の目的だと。例えばお米の予算って年にこれくらいってあるじゃないですか。そんなかから放射能にかかるお米の予算を出そうとしてもまず無理なんで。先に放射線被害に国としてこれくらい使いますっていうのを決めて。そんなかでやるっていう。だから上位の委員会、上位の法律の決定っていうのが、ないと。さっきなんでできないのかって言われましたよね。それともう1こ、大きいと思うのは、ノウハウがみんな民間にある。」

津田「あーなるほど。官民のうちに、官の方にノウハウが溜まってないってことですか」

児玉龍彦「大学にも余り無いんじゃないか(笑)」

津田「それ問題発言じゃないですか(笑)」

児玉龍彦「例えばここに、空間線量で、いや、あの大学ってのはだって基礎的なのをやるんであって、例えばこれ空間線量ってのでてますけど。これもちょっとカメラで」

津田「でもたしかにあれですよね。国会でもこういう民間企業にあるからそれを活かしてやってけばってこと……」

児玉龍彦「これ例えば我々のところでの空間線量のこの組織の場合は、まあアイソトープ総合センター自分でできますけど。ここではもう千代田テクノルっていう会社に頼んで月、だって月1回やるのに人雇う必要ないじゃないですか。そうするとそればっかりやってる業者っているわけですよ。そしたら世界にも詳しいしどの機械がいいかとかみんな持ってるから。そういうところをフルに生かさないと、例えば国の研究所とか大学だとかもちろんお手伝いしますし色々言うけど、実践的にすぐ役に立つって言うのはこういう業者の人ボーンとやとってその人達のノウハウを全部引き出さないとだめ。だから政府の委員会で全部やろうなんて全然しん……」

津田「ほんとうの意味での産・官・学がちゃんとした連携を……」

児玉龍彦「だから国民の中で我々こういうの持ってますってのをだから経団連と経済同友会とかもっと頑張って欲しいと思う」

津田「でそういうところで逆に言うと民間の経済の側がそういう国と官とかに対してももっとプレッシャーを掛けて進めようというのを……」

児玉龍彦「うん、それで、一般にこういうの言うとね、やっぱり僕の方にもいっぱいメールが来て。お前は東大のアイソトープセンターに金がほしいんだろうとか(笑)」

津田「ああそういう批判が結構ありますよね」

児玉龍彦「いっぱい出てますから。あのー、もちろん僕らも研究費欲しくて色々やってるけれども、それと今回のはちょっと違う意味で申し上げてるんで、それはご理解いただきたい。本当に技術を持ってる人は、技術出して欲しいってところを、勘ぐって色々やるのもいいけれども。もっとなんか前向きにやってくれるところがないと。味方がこう…」

津田「そういうある意味で言うと、まあ政府とね民間の交流がスムーズに行くためにも色々な上位の法律を作る必要もあるし、そのためにバンバン特別立法なんかをやっていかなければいけないけれども。今回はもうくだらないことでがちゃがちゃやってて。それがもう最後のほうのほんとに、7万人がね、こうやって家にも帰れない状況にあるのに国会何やってるんですかっていう児玉先生の怒りにも繋がって……」

児玉龍彦「それでですね。ええ。もう1個大事なのはですね。国がやんなくちゃなんないところが一箇所だけあるんですよ。」

津田「それはなんですか?」

児玉龍彦「プラットホーム作り。というのは例えばクリタとか水の会社じゃないですか。それから千代田テクノルっていう例えば、あの、放射能の会社じゃないですか。それから竹中工務店だったら土木事業やってるじゃないですか。だけど、例えば、クリタに放射線やってる人がそんなにいるかなと。じゃあ今度は千代田で水の洗浄が得意かなとか土木が得意かなーとか。だから、こういう個別、なんて言うんですか、企業は自分の強いところはあるけど今回の福島原発の問題解決にプラットホームがあるかといえば、無いって僕は思ってるんですよ。だからその公でいろんな企業が参加してうまくみんながいけば、みんなうまくいきますよみたいなプラットホームを作んないと。企業ってのは自分のノウハウをあげちゃったら終わりじゃないですか。だから個別企業に出来ないところがあるんで。そういうプラットホームを作るところを一生懸命にやんなさい。だから……」

津田「あの企業のほんとにいいところがどんどん……」

児玉龍彦「集まってある程度それで、それはちゃんと使われるっていう信頼感みたいなの、公共性を持ってるところが。それでだから研究センターってのを言ってるのは、もう早く作って。だって本当に除染始めるって言ったらすごいお金がかかるのに、その住民に判断しなさいって言われたって、えっ、ていう問題。その客土して埋めちゃうのがいいのか、それともその、なんていうんですか、化学的にセシウムを除去するのがいいのか。それともフィトレメディエーション(※おそらくファイトレメディエーション(phytoremediation)のこと)っていって植物をやんのがいいのか。福島で実際に早くやってパイロットデータを出して。だから2つやんないと住民は判断できないと思ってる。1つはグーグルラディエーションじゃないけど、この、マップを詳細に作って自分の地域はどれくらいかとかそれから、市役所ごとにすぐやる課があって、こう、放射線測定110番があって、あの、うちはどの程度の線量で大丈夫なんでしょうかってのを。だから地域がどれくらいで自分のうちがどうかってのを1つは知りたいじゃないですか。それからもう1つはこの方法はこれくらいお金がかかってこの程度取れますっていうデータが出ないと、今のまんまでいったらみんな利権付き公共事業にしかなんないんじゃないかっていう心配を持ってんです」

津田「ある意味で言うとその公共事業にしないためにセンターを作れって児玉先生の提案……」

児玉龍彦「センターでやるのは実証実験」

津田「プラットホームっていうのとセンターって言うのはほぼ同じってことですよね」

児玉龍彦「一緒。ええ。だからそういうところに、ベスト&ブライテストを集めて夢を持って、夢っていうか大変なんだけど」

津田「そこに事業とかではなくて。本当に企業の得意なノウハウがセンターにどんどん出向して集まっていく……」

児玉龍彦「集まって、それでいろんな方法を競争させるんですよ。こっちだったらこれくらい、こっちだったらこれくらいきれいになる。お金はこっち掛り過ぎるけどそれをもっと圧縮できるとか。じゃあ場合によっては混ぜたらいい。田んぼはこっちで畑はこっちで、住宅はこれがいいとか。そういうことをどんどんやんなさいと。」

津田「そこにはもう科学者とか技術者の良心でこの目的に集まってくれという形ですよね」

児玉龍彦「はい。かもしくはもう、儲けようとする企業でもいいんですよ」

津田「なるほどね。結果的にねそれがね」

児玉龍彦「そう。それをきちんとやるのに。もしくはもう実際の事業は地元の土建業者がやってもいいわけです。そこに設計と施工ってよく建築だったら分かれるように。だからそういうなんか設計のできるところを早く」

津田「そうですよね。そこでだからセンターで画期的な除染方法ってのが生まれたらそれをじゃあ地元の土建業者とかにじゃあこれでやってねみたいになって。また雇用が生まれて」

児玉龍彦「そうそう。そういうなんか、仕組みを早くつくってほしいと。それで先ほど、つ、おっしゃてたように、なんでうまくいかないんですかっていうとそういう問題をやっぱりなんか解決していくようなビジョン、ありっていうかな、ビジョンを持ってどんどんやる人がでてこないと。やっぱりこういうのって多分ソリューションの技術だと思うんですよ。だからあの、要素技術の会社っていっぱいあるけど、あのー、なんかこうビルゲイツが、DOSを作ったり、こう、まああれですよね、ジョブスがiPhone作ったりみたいな、これってフロンティアに入る技術、フロンティアなんだけど全くすごいフロンティアかっていうとそうじゃなくて、今までのものを色々組み立ててビジョンを持って住民にはなんかのために働いていくような、そういう夢と力を持った若い人がみんな来て欲しい。だから人のことを悪く言うのはもういいけれども、自分ができるっていう本当のこう熱意ある人。に働いて欲しいっていう。それが1番、夢ですね。」

津田「あの国会で参考人で出られて終了したあととかって、議員の先生とかは来て色々話とかはされたんですか」

児玉龍彦「あ、あのー、やっぱり反応早いところはね、その政策にしたいから来てくれってところもあるけれども。それみんなちっちゃい新しいところ。」

津田「あーそうなんですね」

児玉龍彦「でもね、僕が思うのには、別にわたくしなんかじゃなくてこれはいいと思っていて。むしろあの、こっちはこっちで今の自分の癌の薬を作るとかアイソトープセンター長とか南相馬の除染とか、もうめいっぱいだから、むしろ政策どんどん使って、みんなで競争やって欲しい。」

津田「これ、先ほど児玉先生がそいういうセンターみたいなプラットホーム作る、まあ大きなものを作る、ビジョナリーみたいな人が必要だっていうお話しあったんですけど。こういう人、それは政治家がなるべきなんですかね。それともあの、役所の中になる人がいるのか、それとも全く違う人がなるべきなのか。どういう人が適任とか。あとこの人がなるといいんじゃないかというのがアイディアとかってのがあったりします?」

児玉龍彦「なんでもいいんじゃないですか。というのはですね。あの僕ら、あの複雑系やってると、あの、倉本さんっていう昔京都の教授で、この人が日本の複雑系の一番大事な人なんだけど。倉本さんがよく言うのにはあのー色んな世の中って複雑でよくわかんないけど、極端な状態になると本当のものがわかるっていう。だからあの、エントロピーっていうのも水をいくら見てもわかんないで、まあ4度から99度まで見ててもわかんないけど、99度から100度になると水が水蒸気になるときにエントロピーって初めてわかる。」

津田「あーなるほどなるほど」

児玉龍彦「だからこういう福島原発事故みたいな問題があったときに」

津田「まさに今極端な状況なんですね」

児玉龍彦「極端な状態だからビジョナリーがきっと若い人の中で出てくるんじゃないかなーという夢を。津田さんがビジョナリーになってもらう」

津田「まあ難しいかも知れないですけど」

児玉龍彦「まあ是非なってくださいよ。うん」

津田「なるほどねー。そのたとえはすごくわかりやすいですね。そんなかで出てきた中で注目してる中で、まあそういう動きみたいなのが出てくるんでしょうね」

児玉龍彦「はい」

津田「なるほどねー。そうかー。」

(書き起こし、ここまで)

(続き)

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