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【全文書き起こし】シリコンバレー投資家への上手なアプローチ方法①

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アニス氏:
みなさん、はじめまして。アニス・ウザマンと申します。フェノスベンチャーキャピタル、シリコンバレーにあるベンチャーキャピタル会社なんですけれども、そこでVCやってます。
毎日のようにいろんな人のプレゼンテーションを実際に聞いて、投資するかどうか決める側なので、私は結構うるさいんです。

みなさん、ご存じじゃないかもしれないんですけれども、私は日本で勉強して、実は東京工業大学を卒業して、その後アメリカに1回戻ってきましてここでマスター終わらせて、その後実際にIBMで合併吸収やってたんですけれども。
その時に日本の大学にあこがれて、また勉強を続けて博士まで取ってしまったんですよ。でも何の役にも立たなかったんですね。(笑)

とりあえず、日本のみなさんの税金で奨学金を受けて勉強したんですね。それで、みなさんの奨学金を受けて勉強したので、今VCになってやっぱり日本のアントレプレナーたちに対して、すごい優しいです。スペシャルなんですね。(会場から笑)

みなさん、ぜひともどんどん声かけてください。

 みなさん何でシリコンバレーに来るかというと、やっぱり成功したいんですよね。本当にシリコンバレーっていうところは成功しやすいっていうところがあるんですね。

 ここで成功するには、たぶん一番目に必要なものっていうのはコネクションなんです。
ここにきて、どこからスタートするかっていうのが重要であって、そこでやっぱりコネクションが一番重要なんです。

そのコネクションっていうのは例えばブランドンを知ってて、ブランドンがアニスを知ってて、アニスがfacebookの社長を知ってる。それがコネクションなんですね。
だからどこかで、やっぱりフレンド、友達が必要なんですね。その友達が、第一に見つけなきゃいけないんで。みなさんにとって今日から私が友達です。(会場から笑)

どんどん声をかけてください。私は日本からの案件だと絶対にきちんと聞きますし、自分が投資できなくても、例えば友達のVCにまわすことは可能なんです。だから、ぜひ声をかけてください。

今実際に投資はアメリカをメインでやってますけれども、それ以外にも海外でも投資をしてまして、日本の会社に対してスペシャルで見て、これから実際に日本の会社もアメリカで成功するよう頑張っていこうかなと思ってます。

 日本の会社を実際に見てまして1つ気づいたところというのは、日本の技術ってやっぱりものすごい高いレベルなんですね。私は日本語・英語が両方ある程度分かるので、アメリカの会社見てるときの感覚と日本の会社見てるときの感覚って技術のレベルとかは差はあんまり無いです、実際に言うと。

差はどこにあるかっていうと日本の会社が世界レベルで自分達の持ってるものを表せてないです。それだけの違いなんです。だから皆さん、ぜひとも自分の技術に自信を持って、それを世界レベルで届くようにマーケティングとセールスを頑張りましょう。それが基本コンセプトなんですね。

アントレプレナーということになりますとやっぱり皆さんどういう人が今まで頑張ってきたかもすごい重要だと思うんですけれども、そこでプレゼンテーションを始める前にこのビデオをちょっと見せようと思ったんですね。

(ビデオが流れる)

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皆さんいかがだったでしょうか。やっぱり頑張れば自分の夢が叶えられるということなんですね。私も今VCで自分の夢をちゃんと持ってまして、実は世界で一番大きなVC会社を作っていきたいです。

本当に作ります。やっぱりその自信がすごい重要であって、だから、皆さん自信を持って日本の技術、誰にも負けないから頑張りましょう。

 
そこで今日のメインテーマからちょっと外れてしまいましたが、ブランドンさんにお願いされたのは、VCとエンジェルに実際にプレゼンテーションする時にどういうところに気を付ければ良いかというところを説明してほしいということで、これから少し幾つかのところに触れていきたいと思います。

第一に投資家にアプローチしないといけないですね。投資家にアプローチするのはやっぱりフレンド、友達が重要なんですね。

例えば、VCに直接メールを打ったとしても、まあオフィシャルサイトにいっぱい皆さんのメールアドレスも載ってるし、でも私は1日大体700件くらいのメールを貰います。
だから、そこからピックアップしていくのは、やっぱりものすごい大変な作業なんですね。私のマネージャーは3人いまして、皆でメール分担して見てるんですけれども、ものすごい大変な作業なんです。

そこで例えば、ブランドンからメールが入ってると多分ポトンと開けて見ます。なぜかと言うと、ブランドンから来た例えばどっかの社長の紹介、それは友達だから開けて見ます。

でも知らない人からもいっぱいメールが来るんですね。

 例えば私は先週ウクライナに行ってたんですね。ウクライナの政府の招待でウクライナに行って。帰ってきたらウクライナから700件くらいのメールが入ってて…大きな会場でスピーチして、皆さんからメールをもらったんですね。それの半分くらいはロシア語で書いてあるんですよ。結構大変な作業で、そこでやっぱりピックアップしていくのは知り合いから来たメールなんですね。

だから、第一にやっぱりレファレンス、推薦として来てください。それが一番重要だと思います。

例えば私が今日友達になったので、皆さん私を使って実際に回してもらっても良いと思います。もちろん我々的には実際に投資する時にやっぱり前、アントレプレナーで成功したことがある人ということを信じますので。そういった方々の繋がりだと、やっぱりいろいろやりやすいというところはあるんですね、実際に。

実際にアントレプレナーが来て、スタートアップの社長さんが来て、実際にプレゼンテーションする時に大体5分、10分ぐらいで大体感覚が掴めるんですね。この人は本当にやってくるかどうかっていうところがやっぱり分かるんですね。

 皆さんは多分「リーンスタートアップ」という単語を聞いたことがあると思いますけど、それ何か分かりますか?

リーンスタートアップというのは、エリック・リースというアントレプレナーの人、シリコンバレーにいる32歳ぐらいのすごい若い方なんですけれども、彼が作ったコンセプトなんですね。今シリコンバレーでほとんどのアイディアはリーンスタートアップモデルベースで動いてるんですね。

リーンスタートアップモデルは何かと言いますと、我々はアントレプレナーを見た時に、やっぱりシード段階、すごい初期段階の会社だとこの会社のアイディアは私にとってどうであっても構わないです、実際に言うと。

我々が見てるのはそのアントレプレナーの目なんです。この人は実際に会社を立ち上げて、例えばいろんなところの壁にぶつかって、それぞれの壁にぶつかった時に対策を取ってそれを解決することができるかどうか、それが私たちにとって一番重要なところなんです。

実際にアイデアがあれば、それをすぐモノにして、それを世界の皆さんにぶつけて、そこでフィードバックを受けながら会社を変えていく、方向性を変えていくというのがリーンスタートアップモデルの基本コンセプトなんですね。

ほとんどやっぱり初期段階で我々が投資してる時にアントレプレナーの中でそういう発明性があるかどうか、この人だったら大きな問題にぶつかってもそれをちゃんと解決して前に進めるかどうか、それが我々にとって何よりも重要なポイントなんですね。

だから、ここで言ってますけれども、10分で分かるということはこれがやっていけるかどうか、それがすごい重要なんですね。やっぱりほんとにフェイストゥーフェイスで会うことがやっぱり何よりも重要なんですね。

ここで1つ重要なポイントなのは、一番下から2番目のポイントなんですけれども、実際にVCにアプローチする時に、例えば私が今専門にしてるのはインターネットとかソフト開発とかリテールとか、あと次世代の技術なんですね。イマージンテクノロジーなんですね。

例えば私にバイオの話を持ってきてもちょっと難しいと思いますし、だからやっぱりきちんと見て、この投資家はどういうところに投資しているかというところを見た方が良いと思います。

プラス、そこでもう一つ重要なことなんですが、例えばあなたはソーシャルネットワークの会社の社長であって、例えばすごい優れたアイディア、ソーシャルネットワークを持ってるんですね。でも例えば私がfacebookに投資したことがある人だとしたら、多分私のところに同じようなソーシャルネットワークの話を持ってこない方が良いかもしれない。

なぜかと言うと、私は多分そこの役員になってて、自分の知らないうちに彼らにあなたの新しいアイディアのことを話してしまうかもしれないからなんですね。だから、できれば実際に投資家にあたる時には、その投資家が似たような会社に投資したことがあるかどうか、確認してから行った方が良いと思います。

でも投資家の中でもまた2種類あります。
我々みたいなVCもいれば、エンジェルという個人投資家の人もいるんですね。お金をいっぱい持ってて個人的に投資している。それらのエンジェルの方々ですと、前も似たような会社に投資したことがあっても構わないです。
やっぱり個人投資家だとほとんど会社の役員になってないし。だからそこで情報の漏れは多分防げると思います。それは気を付けてください。
次にいきます。リレーションシップのところですね。

関係を結んでいくことがすごい重要であって、長いメールとビジネスプランを送るのはやめましょう。ビジネスプランを読む時間があれば、もうそれだけで人生が終わってると思います、私は。だからできれば、やっぱり直接会ってリレーションシップを作っていきましょう。

我々は最初に来て、VCの社会でイエス・ノーという答えがないです。我々はどんなにアメリカ人であってもVCの社会でノーというものが存在しないです。私たちの社会で一番通じる単語というのは「次に会いましょう」ということなのです。「See you next time」なんですよ。だから、我々的にはあなたを断っている断り方というのは「この段階では投資できないけど、でも次の段階でもう1回アプローチしてください」っていうことなんですよ。

すごい頑張り屋さんのアントレプレナーだと、何回も何回も自分のプレゼンテーションを変えて、何回も何回もメールしてくるので、そこでやっぱりギブアップして、じゃあもう1回話を聞く。それで実際に投資したことがあるんですよ。やっぱりギブアップしない人、この人は私に対してギブアップしないということは、自分の会社が潰れていくのにもギブアップしないだろうとやっぱり思ってしまうんですね。だからやっぱりギブアップしないことなんですね。

やはりインベスターと話したり、コミュニケーションをとったりしていると、そのうちにリレーションシップもできるので、リレーションシップを積んでいくのが一番重要だと思います。
例えば、私がシード段階で1回投資して、そのアントレプレナーがすごく頭の良いアントレプレナーだとすると、そこで関係がもっと深くなります。そしてシリーズAへの段階で違う投資家を紹介してもらえたり。

私のネットワークだと1000人以上のVCを知ってるんですよ。世界中で。だから自分ができなくても「バイオ系だと○○さんができるとか、ソーシャルネットワーク系だと○○がやってる」とか、そういうことがあります。時間さえ私に10分もらえれば、たぶん10人は紹介してあげられると思います。そこでリレーションシップを作っていくのはすごく重要です。

次、ピッチというのはプレゼンテーションのことです。プレゼンテーション前の準備について話したいと思います。

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